昭和時代戦後の駅舎(1) - 駅と駅舎の旅写真館

昭和時代・戦後に建てられた駅舎を巡る鉄道の旅

1945年(昭和20年)の8月15日の終戦後。木造駅舎は、木の味わいとレトロさ持ちながら、以前とは違った感じのものが建てられるようになった。

そして高度経済成長期には、コンクリート造りの横長や、ビル型の駅舎が増えていった。

地方のローカル線においては、鉄道の利用者減少により、無人化された駅では待合室程度の機能しかない小さな簡易駅舎に建て替えられるなど、新しい駅舎に取って代わられるように…
(※並び順は建築年順ではなく、記事の日付順となっています。)



吉浦駅(JR西日本・呉線)~堂々たる風情の木造駅舎が残る無人駅~

JR呉線・吉浦駅、戦後昭和21年築の威風堂々の木造駅舎

暑い9月の夕刻前、呉駅を二つ通り越した吉浦駅に立ち寄った。駅の南側には留置線があり、架線柱を見るとさらに奥の駐車場まで跨いでいる。昔はあの駐車場にも留置線が広がっていたのだろう。木造駅舎が残り待合室に入ると、その広々として空間に驚かされた。床面積もだけど、天井の高さも2階分はあり…

初島駅(JR西日本・紀勢本線(きのくに線)~あと僅かの木造駅舎を愛でる~

JR紀勢本線(きのくに線)初島駅、戦後の昭和48年築の木造駅舎。

紀勢本線(きのくに線)の初島駅では、戦後の1948年(昭和23年)築の木造駅舎が現役だが、老朽化のため建替えられる事になった。新駅舎は近年、急速に技術が発展し私たちの生活にも浸透してきた3Dプリンター製になる。もうすぐ役目を終える駅舎は、デザイン性を感じさせる。洗練されてはいないが、ユニークさが楽しい…

遠野駅(JR東日本・釜石線)~民話伝わる土地のレトロな洋風駅舎~

JR東日本・釜石線、取り壊しに揺れる戦後築の洋風駅舎

新花巻駅から快速やまゆりに乗り、遠野駅に到着。2面3線のホームは線内の主要駅らしさ感じる。遠野駅の開業は1914年(大正3年)4月18日。現在の駅舎は釜石線の改軌と全通が成った、1950年(昭和25年)築。一見、石造りが印象深い洋風駅舎だが…

JR中央本線・大桑駅~開業15周年記念碑と桜の老木ある枯池~

JR中央本線(西線)、碑と桜の木が寄り添う大桑駅の枯池。

駅舎の外に出ると、左手に大きな桜の木があるのが目に入った。その足元には、枯れた池が残されていた。ごつごつとした岩で囲われているが、割とシンプルな形状。大きな桜の木で覆われているのが印象深い。春の風景を見て見たいものだ。そして真ん中に、何やら記念碑が鎮座している…

大津港駅(JR東日本)~消えた!?駅舎横にあった御堂のある池は…~

JR東日本常磐線・大津港駅、新築のようにリニューアルされた木造駅舎

2006年1月、常磐線の大津港駅を訪れた。駅舎の外に出て左手に、池庭があるのを発見した。こんな風に駅の敷地内に池…(今やほとんどがその「跡」と化してしまっているが)があるのは珍しくない。しかし大津港駅の池で目を引いたのが、池の中に中国風の赤い御堂がある事だった。オブジェであるが、なぜこんな所に中国風のお堂が?とても不思議に思った。

土讃線・坪尻駅~超秘境駅に残るJR四国唯一の純木造駅舎~

土讃線・坪尻駅、今やJR四国唯一となった純木造駅舎が残る

7月のある日、阿波池田駅から多度津行きの普通列車に乗った。乗客はたったの二人。地元の人はともかく、夏休み期間で、本来ならもう少し乗り鉄がいると思ったのだが、そんなのは私だけ。コロナウィルスの猛威で出控えている人が多いのだろう。吉野川を渡り、ぐるりとカーブし阿波池田の市街地を見下ろすと、レールは山の中に分け入った…

有間川駅~海に抱かれ佇む古き木造駅舎~(えちごトキめき鉄道・日本海ひすいライン)

越後トキめき鉄道・有間川駅、木造駅舎の向こうに見える日本海

北陸本線から第三セクター鉄道に転換されたえちごトキめき鉄道の日本海ひすいライン。有間川駅はその名の通り、眼前に日本海の絶景が広がる場所に位置している。長年の陳情が叶い、戦後の1946年(昭和21年)9月1日に有間川仮乗降場とした開業。その当時からの木造駅舎が残る…

東松江駅 (南海電鉄・加太線)~静かに余生を送っているような木造駅舎~

南海電鉄加太線・東松江駅、県道7号線沿いの木造駅舎

東松江駅の開業は、加太軽便鉄道時代の1930年(昭和5年)の12月1日。当時、和歌山市駅方面へは現在の紀の川駅経由と違い、南東に進み北島駅を経由し、紀の川を渡り至っていた。紀の川駅への現在のルートが開業したのは1944年(昭和19年)。現在の木造駅舎は1948年(昭和23年)の南海電鉄時代に建てられた…

天塩中川駅 (JR北海道・宗谷本線)~木造駅舎は戦後の建築当時の姿に…~

宗谷本線・天塩中川駅、昔の姿をイメージして改修された木造駅舎

宗谷本線の天塩中川駅には、1953年(昭和28年築)の木造駅舎が現役で使われている。改修で外壁が新建材になるなど、やや味気ない姿になっていたが、2014年の改修で、昭和28年の建築当時の姿をイメージし改修された。私は2回、天塩中川駅に降り立った事がある。一回目は1990年代の前半。当時は簡易委託駅で、記念に硬券の入場券を買い、街中をぶらぶらし…

南松本駅 (JR東日本・篠ノ井線)~小さくなり生き残った木造駅舎はもうすぐ失われる…~

JR東日本篠ノ井線・南松本駅、改築が決まった木造駅舎

木造駅舎が残っている事はなんとなく知っていて訪れたいと思っていたが、やっと降り立つ事ができた。長野県第二の都市、松本市の都市圏にあるだけあって、広大な貨物ヤードの反対側の駅西側一帯は、マンションなどがある街並みが広がり、一日の乗降客は3000人程度と多めだ…