風化したコンクリートブロックが重厚さ漂わす洋風駅舎
新花巻駅から快速はまゆりに乗り、遠野駅に到着。2面3線のホームは線内の主要駅らしさ感じる。
遠野と言えば、柳田国男「遠野物語」のカッパの伝説。駅舎屋根の、JR印の鬼瓦にはカッパ像があしらわれていた。
平日でコロナ禍の今は駅はひっそり。だけど普段は観光客も多いのかホームは掲示物で賑やかで、顔ハメ看板も。
主要駅の一つの遠野駅は業務委託とは言え有人駅。ローカル線の駅で駅員さんがホームに立ち列車を見送る姿は今や珍しいかもしれない。
遠野駅の開業は1914年(大正3年)4月18日。釜石線の前身の岩手軽便鉄道の東線・遠野-仙人峠駅(現在廃駅)間の開業時。最初の約1ヶ月は貨物駅としての営業だった。
現在の駅舎は釜石線の改軌と全通が成った、1950年(昭和25年)築。一見、石造りが印象深い洋風駅舎だが、実は硬質コンクリートブロック造り。
コンクリート造りとは言え、風に晒され、風化し長年の汚れが染み付き、石造りのような重厚さ。出入口付近の造りも渋い!
使い古され渋み漂う壁に瓦屋根が良く似合う。
かつて2階には仙人峠越えのための機関区の事務所が置かれたという。JR化後はJR東日本直営の宿が置かれていた。しかし築70年を超え老朽化が進行し、現在の利用規模に見合った駅舎への建て替えが検討されている。宿は建て替えを見込み2015年に閉業となってしまった。レトロ駅舎の宿に泊まってみたかったなぁ…
カッパ淵は遠野の有名な観光名所だが、駅前広場にはカッパ淵ならぬカッパ池がある。カッパ像は古書から抜け出た妖怪のようで可愛いような不気味のような…
駅舎内部の窓口と待合室。2020年には手作りおにぎり屋がオープンし、お土産屋なども販売している。
改札口にはコンクリートのレトロなラッチが残っている。乗降分離で二つに分かれているが、広い降車用と思われる方は閉じられ使われていないようだ。
遠野駅で買ったおにぎりは、釜石行きの列車に揺られながら味わった。遠野駅舎の余韻とともに…
[2022年(令和4年)5月訪問](岩手県遠野市)
- レトロ駅舎カテゴリー:
- JR・旧国鉄の三つ星レトロ駅舎