南松本駅 (JR東日本・篠ノ井線)~小さくなり生き残った木造駅舎はもうすぐ失われる…~



南松本駅、駅舎と風景

JR東日本篠ノ井線・南松本駅、JR貨物の駅も併設
篠ノ井線の南松本駅で下車すると、目の前にはレールの…、そして多くのコンテナ。JR貨物の駅も併設されている。
JR篠ノ井線・南松本駅、貨物ヤードが広がる風景
ホームは島式の1面2線だが、広大な貨物ヤードに比べれば僅かなスペースだ。乗降客はそこそこ多い。
JR東日本篠ノ井線・南松本駅、改築が決まった木造駅舎
木造駅舎は半分に減築され小奇麗に改修されているが、1947年(昭和22年)築と歴史あるもの。
JR東日本・篠ノ井線・南松本駅、駅舎内部の出札口
内部はきれいに改修され使われている。出札口と待合室もある。
JR篠ノ井線・南松本駅、小さくなった駅舎と隣の居酒屋
駅舎が削られた部分は、飲食店となっている。
JR篠ノ井線・南松本駅の木造駅舎、古いままの車寄せ
何かと改修されている駅舎だが、正面の車寄せは古い造りを残す昔からのもの。
JR東日本・篠ノ井線・南松本駅の木造駅舎、側面の通風孔
屋根の側面には小さな通風孔が4つあり目を引いた。
JR篠ノ井線・南松本駅の木造駅舎、ホーム側の木の柱
新築のような駅舎だが、ホーム側の軒は木目浮かぶ古い木のままだ。切り裂かれたようなヒビがまるで悲鳴を上げているかのよう…

南松本駅訪問ノート

 木造駅舎が残っている事はなんとなく知っていて訪れたいと思っていたが、2019年の8月にやっと降り立つ事ができた。

 長野県第二の都市、松本市の都市圏にあるだけあって、広大な貨物ヤードの反対側の駅西側一帯は、マンションなどがある街並みが広がり、一日の乗降客は3000人程度と多めだ。

 南松本駅の開業は1944年(昭和19年)で、現駅舎は1947年(昭和22年)の築。元々はもう少し大きな木造駅舎だったが、2004年(平成17年)に、左側が削られ半分の大きさに減築された。一見、きれいに改修され味わいはいま一つだが、車寄せやホーム側軒の古びた柱など古い造りを残してるのが味わいを感じさせた。

 残念ながらこの駅舎、老朽化やバリアフリー対応のため、残念ながら建替えが決まっている。来年2021年の1月には新駅舎の供用開始が予定されているという。無くなる前に訪れる事ができたのは幸運だったのだろう。

[2019年(令和元年) 8月訪問](長野県松本市)

追記: 新駅舎供用開始、そして旧駅舎引退

 2020年夏からこの現駅舎の南側・右隣で、新駅舎の新築工事が始まった。現駅舎を右側の一部を切り崩しつつも利用を続け、新駅舎を建てていったという。

 そして工事が完了し、2021年1月23日より、新駅舎が供用開始となった。旧駅舎となった木造駅舎は、完全に使用停止となった。早ければ2月から取り壊し工事が始まる予定だという。

レトロ駅舎カテゴリー: JR・旧国鉄系の失われし駅舎