上総鶴舞駅(小湊鉄道)~桜咲く春を謳歌する駅の木造駅舎~
春で賑わう小湊鉄道。混雑を避け、朝に上総鶴舞駅に到着した。構内は広く、旅客ホームはかつて2面3線だったようだが、今は駅舎に面した1線のみ。廃止されたホームは廃れながらも残っていた。その周りには、植えられた桜や菜の花がささやかに咲き誇る。まるで、風化した遺跡を鉢にした盆栽か何かの作品のようで、不思議な春の風情が美しく映った…
西岸駅(のと鉄道・七尾線)~昭和初期の木造駅舎は長閑なムード…~
穴水駅から七尾行の列車に乗り二駅、木造駅舎が残る西岸駅で下車した。ホームから駅舎の方を見ると、木の窓枠の向こうのがらんとした旧駅事務室の中に、木の机が置かれているのが見えた。どこか田舎の分校のような風情。壁はグリーン基調に塗装されている。しかし、それでも木造駅舎らしい古い木の質感が伝わり味わい深さがあふれていた…
信濃境駅の池庭跡 (JR東日本・中央本線)~青い鳥舞った!?白樺寄り添う枯池~
中央東線の上り列車で信濃境駅で下車すると、自然と「ラーラララーラララー…」と歌っていた。globeのWanderin’ Destinyという歌で、この駅がロケ地となったドラマ「青い鳥」の主題歌だ。10月も後半だとまだ一枚羽織るだけで大丈夫だったが、この駅は凍えるような寒さで、目の前の山には雲がかかる…
谷村町駅 (富士急行大月線)~柔らかな洋風ムードに改修された木造駅舎~
駅の開業は1924年(昭和4年)6月19日。その時以来の木造駅舎が現役だ。観光色も強い富士急は、同社の木造駅舎を洋風の雰囲気にきれいに改修されてしている例が多い。この谷村町駅も、色使いが柔らかく、屋根に洒落た風向計が載せられ、童話に出てきそうなどこかかわいらしいムードが漂う…
上武佐駅(JR北海道・標津線)~記憶の中の廃駅へ…~
かつて道東の根釧原野を駆け抜けていた標津線は、廃止が迫る1989年(平成元年)3月に乗りに行った。基準を満たさない国鉄赤字ローカル線は、廃止対象として特定地方交通線に指定された。道内ではかなり廃線が進んでいたが、天北線、名寄本線、池北線は最後まで残り、長大4線と呼ばれたものだ…
根室本線幾寅駅~鉄道員(ぽっぽや)幌舞駅の面影残る駅舎~
2016年10月下旬、JR北海道が、根室本線の富良野‐新得間など特に利用の少ない3線区の廃止・バス転換を協議する方針と、各種メディアが報じた。この発表を受け、ドラマ「北の国から」と、映画「鉄道員(ぽっぽや)」のファンから落胆の声が上がった…
月崎駅 (小湊鐵道)~春爛漫の駅で木造駅舎と桜を愉しむ…~
小湊鉄道は2001年に乗りに来て以来、13年振り2回目の訪問だった。その時の月崎駅での思い出は、この旅での最も印象的な出来事の一つとして心に残っている。その日は元旦、つまり1月1日で、小湊鉄道の初乗りと駅巡りの旅を楽しんでいた…
白河駅 (JR東日本・東北本線)~大正の洋風駅舎など歴史と風格漂う駅…~
JR白河駅は1887年(明治20年)、東北本線の前身、日本鉄道時代の開業。開業当時は120mほど北に位置していたという。現在の洋風木造駅舎は2代目駅舎で1921年(大正10年)の築。東北本線の主要駅ではあるが、町の玄関口の座は東北新幹線の新白河駅に譲った。
出雲八代駅(JR西日本・木次線)~木造駅舎、夕の顔と朝の顔~
ある夏の暑い日、芸備線、木次線の駅を巡り、その日の宿の最寄り駅の出雲八代駅に着いた。この日見てきた木造駅舎はどれも古き良き趣溢れる素晴らしい駅舎ばかりだったが、この出雲八代駅もそれらの駅に負けない雰囲気をまとっている…
八川駅 (JR西日本・木次線)~映画「砂の器」に出演した木造駅舎~
木次線の名物列車・奥出雲おろち号に乗り、奥出雲の自然豊かな車窓を楽しみ、国道314号線の奥出雲おろちループや、出雲坂根駅到着前の3段スイッチバックといったダイナミックな風景を楽しんだ。八川駅のプラットホームに出た瞬間、うだるような暑さが体にべったりとまとわり付いた…