網代駅(JR東日本・伊東線)~温泉街に佇む洋風木造駅舎~



行楽ムード漂う伊東線スタイルの洋風駅舎

JR東日本伊東線・網代駅プラットホーム
築堤上に位置する網代駅ホーム。海近くの斜面で敷地に余裕が無いためか、先端は細い。
網代駅北端、伊東線新小山トンネル、複線化予定で旧線も残る
北端・熱海方の新小山トンネル。複線化のためトンネルを新設したが実現せず、旧線側は放棄状態…
JR伊東線・網代駅待合室、無人駅となり塞がれた窓口
網代駅は一日900人程度の乗客がいるが、2015年に無人化。窓口跡は塞がれた。
JR東日本伊東線・網代駅、リゾート色ある洋風木造駅舎
スペイン風のオレンジ色の瓦、岩の腰壁が印象的な網代駅の木造駅舎。リゾート色強い伊東線風洋風デザインだ。
網代駅、特徴的な窓の装飾と伊東線の駅名標
X字風の装飾が被せられた洒落た窓は伊東線他の駅にも。駅名標はかわいいが魚の開きがユーモラスで海の近さを感じる。
伊東線・網代駅前、網代温泉の歓迎ゲートがある
近くは網代温泉の温泉街だ。駅前には「あじろ温泉」と標された歓迎ゲートが設置されている。
伊東線・網代駅舎左横、貨物取扱所跡地
駅舎左側には上屋が立派な貨物取扱所跡が残る。奥には木造小屋も残るが、手小荷物保管庫だろうか?
伊東線・網代駅の木造駅舎、降車用改札口の木の上屋
方や右横には、見事な木造上屋が残る。建物財産標の日付は駅開業約半年前の昭和9年9月26日。
JR東日本・伊東線、網代駅の降車用改札口
上屋の奥はラッチ跡らしき柵があった。この上屋、降車用の改札口だったようだ。
JR伊東線・網代駅を伊豆急のロイヤルエクスプレスが通過
伊豆急のロイヤルエクスプレスが通ったので思わずパチリ。たまにはこういう観光列車も乗ってみたいな…

網代駅訪問ノート

 網代駅の開業は1935年(昭和10年)3月30日。熱海-網代間が伊東線最初の開業区間で、3年後に伊東まで全通するまでは当駅が終着駅だった。

 駅舎はスペイン風のオレンジ色の瓦や、岩風の装飾を施した腰壁が印象的な洋風木造駅舎。伊東線の途中駅4駅の駅舎は形状は違えど、似たような洋風のデザインが取り入れられた木造駅舎だ。沿線には有名な伊東温泉や熱海だけでなく、網代温泉など温泉地が多く温泉銀座のような路線。海沿いの温暖な気候もあって解放感溢れるイメージ。そんなムードを高めるため行楽ムードある駅舎を造ったのだろうか。

 網代駅舎は何年に建てられたかはっきりしないが、伊東線の他の駅舎は、大体開業時辺りに建てられていて、網代駅も上屋の建物財産標が開業約半年前の昭和9年と標されている。なので、大雑把な推測だが、網代駅も開業時かそのあたりなのではないだろうか…

 特急踊り子が一日に数本停車するが、無人駅だ。伊東線の途中駅4駅は、2015年(平成27年)3月8日に一斉に無人化された。

[2019年(令和元年)10月訪問](静岡県熱海市)

レトロ駅舎カテゴリー:
二つ星 JR・旧国鉄の二つ星レトロ駅舎