渡波駅(JR東日本・石巻線)~ひそかなレトロさが楽しい洋風木造駅舎~



渡波駅、駅舎と風景

JR東日本石巻線・渡波駅、2面2線のプラットホーム
早朝の列車で石巻線の渡波駅へ。2面2線のホームに外側には側線の跡が何線も残り、かつての賑わいを偲ばせた…
石巻線・渡波駅、屋外の降車用改札口跡
駅舎の外には、屋外改札跡の鉄柵も残っていた。
石巻線、開業以来の洋風木造駅舎が残る渡波駅
渡波駅の木造駅舎。待合室部分が少し高く、採光窓や縦長の窓が特徴的。きれいに改修されているがレトロな雰囲気。
石巻線、渡波駅舎に取り付けられた古い電話番号のプレート
駅舎出入口上部には古い電話番号が標されプレートが残ったまま。触って見ると何と陶器製!
石巻線・渡波駅の木造駅舎、古さ残す待合室
待合室内部は木目調の板など補修されている。2020年に無人化され窓口跡は塞がれた。
石巻線・渡波駅の木造駅舎、縦長の窓
やはり縦長の大きな窓が印象的。差し込む朝の光がいっそう眩しい。
木造駅舎残る石巻線・渡波駅、待合室天井の装飾
天井の照明の台座やコーナの菱形の装飾が、まるで待合室を洋風駅舎の世界観で包み込んでいるかのよう…
石巻線、石巻市にある渡波駅、朝の通学時間帯
朝の通勤通学時間帯で、さっきまでは静かだった駅は徐々に人で賑わってきた。
石巻線・渡波駅、駅前ロータリーの紅葉の木
駅前のロータリーには紅葉の木が植えられていた。色づく秋の頃を見てみたい。
石巻線・渡波駅、朝の通勤通学時間帯で賑わう上り列車
上りの石巻方面行の列車が到着すると、学生を中心に乗降客ごった返し大賑わい。私は逆の女川方面へ…

渡波駅訪問ノート

 渡波駅の開業は1939年(昭和14年)10月7日。その時以来の木造駅舎が東日本大震災を乗り越え現役だ。

 木造駅舎は一見きれいに改修されシンプルだ。しかし縦長の大きな窓や待合室天井の造りなど、洋風の造りが印象深く、随所にレトロさを残しているのに魅かれる。

 駅は石巻駅から直線距離で約5㎞、石巻市街東端の海近くにある。2020年3月14日のダイヤ改正で無人駅となったが、それでも一日の乗客数は500人以上とまあまあ多く、朝の通勤通学時間帯はとても賑わっていた。

[2022年(令和4年)5月訪問](宮城県石巻市)

渡波駅改築へ…

 7月28日、JR東日本仙台支社より渡波駅の駅舎が建て替えられると発表された。

 新駅舎は慶長遣欧使節船「サン・ファン・バウティスタ号」の見張台をイメージした半円形状のデザイン。渡波駅が「サン・ファン・バウティスタ号」の復元船を展示していた「サン・ファン館」の最寄駅である事にちなむ。慶長遣欧使節は1613年、戦国武将として有名な伊達政宗がローマなどに派遣した使節団だ。

 新駅舎は現在の半分弱の大きさ。新駅舎待合室のベンチには、現駅舎の木材が再利用されるという。

 建替え工事の着手は2022年8月からの予定。券売機等の仮移設が9月とされているので、仮駅舎設置しそちらに移転という事だろう。なので現駅舎もその頃までは見られると思われる。新駅舎の供用開始は2023年3月末を予定している。

 2022年9月16日の日中、渡波駅の駅舎は閉鎖、そして10月の中旬ごろから解体工事が始まったという。

レトロ駅舎カテゴリー:
JR・旧国鉄の失われしレトロ駅舎