来宮駅、駅舎と風景
来宮駅訪問ノート
駅開業の1935年(昭和10年)築の木造駅舎が残る。スペインなど欧州を思わせるオレンジ色の屋根瓦、車寄せや窓周りの装飾など、リゾート地の別荘のような佇まいが印象深い洋風木造駅舎だ。
伊豆多賀駅や網代駅など伊東線の駅舎は、大きさや形状こそ違え、細部の装飾が洒落ていて、来宮駅と似たような洋風木造駅舎となっている。伊東温泉や熱海温泉など有名な観光地があり、行楽色のある駅舎にしたようだ。大型のホテルは熱海駅より、この来宮駅周辺に多い。歩くには遠く坂道がきついが…
来宮駅は海からやや高い位置にあり、5分ほど坂を下り続けると繁華街に出る。昔も…そして今も、ひと風呂浴びそぞろ歩きする宿泊客で賑わうのだろう。繁華街外れの路地裏には、遊郭や飲み屋街だったと思しきレトロな街並みが寂れつつ残っている。昔の温泉旅行の残照を留めるかのように…
[2019年(令和元年) 10月訪問](静岡県熱海市)
- レトロ駅舎カテゴリー:
- JR・旧国鉄の三つ星駅舎