春うららかな駅にて…
[2014年(平成26年)4月訪問](千葉県市原市)
レトロ駅舎カテゴリー: 私鉄の二つ星レトロ駅舎
養老渓谷駅訪問ノート
2000年代の前半に訪れて以来、2度目の訪問。その時は正月で駅前のお店は一軒も開いていなく、食いはぐれという印象が残っている駅。今回は市原の芸術祭期間中限定の駅弁を運よく買う事ができ、いまひとつな思い出は拭い去られた(笑)
駅は月崎駅と終着駅となった上総中野駅間が、1928年(昭和3年)5月16日に延伸開業した時に開業。当初は朝生原駅という名称だったが、1954年(昭和29年)12月1日に現在の駅名に。
その名の通り、自然豊かで温泉も湧く養老渓谷の最寄駅で、駅での物販があり足湯も設置されるなど、観光駅らしい雰囲気。
駅舎は開業時以来のものだ。正面の三角の破風屋根が洋風のムード漂わす木造駅舎だ。先端が丸くカットされた板が繋げられた洒落た車寄せの板張りは月崎駅と同じ。切り出しの板の駅名看板もいい味出している。
小湊鐡道の駅舎と言えば、関東の駅百選に認定された上総鶴舞駅がよく知られるが、他の木造駅舎の多くも、小さな違いはあれど同じような形で、養老渓谷駅や隣の月崎駅とは違ってる。1925年(大正14年)の第一期に開業した区間が特徴的な「上総鶴舞駅型」の共通設計の駅舎となっていて、それ以降の駅舎は設計の変更があって違う設計になったようだ…
2017年(平成29年)5月2日、養老渓谷駅の駅舎が国の登録有形文化財に指定された。
駅前は2017年から「逆開発」として、アスファルトを剥がし、木々を植え里山のような自然風景を取り戻す作業が進められている。植えられて数年のか細い木々は、いつかたくさん緑をつけるほどに成長する事だろう。