出雲横田駅(JR西日本・木次線)~小駅なれど神社のような風格の和風木造駅舎~



脇役も見逃せない純和風の駅

JR西日本木次線・出雲横田駅、社殿風の純和風木造駅舎
奇稲田姫(クシイナダヒメ)を祀った稲田神社を控え、社殿風の木造駅舎が建てられた木次線の出雲横田駅。駅開業の1934年(昭和9年)築。
木次線・出雲横田駅、しめ縄掛けられた重厚な車寄せと
純和風の手の込んだ車寄せに掛かる重厚なしめ縄、校倉造(あぜくらづくり)風の壁面…堂々たる佇まいはまるで本物の神社。
木次線・出雲横田駅、和風駅舎が映える植栽
きれいに整えられた植込みに、風格ある社殿風の駅舎はいっそう映える。左隅に腕木式信号と木次線開業60周年記念碑がある。
木次線、奇稲田姫の愛称の出雲横田駅。駅舎横の像
木次線の駅には日本神話ゆかりの神様の愛称が付けられている。出雲横田駅はやはり奇稲田姫で、像も建立されている。
木次線・出雲横田駅の木造駅舎、待合室
待合室は昔の風情がよく残る。真ん中に置かれた木製ベンチがレトロさを醸し出す。
木次線出雲横田駅、入母屋と軒が見事な駅舎ホーム側
駅舎ホーム側、入母屋の屋根から一体になった反り返る軒も風情ある。
木次線・出雲横田駅、社殿風のトイレとその前の日本庭園風の植込み
トイレの壁も校倉造。前の植込みはつくばいや灯篭も置かれた日本庭園風のしつらえ。隅々まで和の味わい深さ感じる。
JR西日本・木次線のキハ120、出雲横田以南は超閑散区間…
出雲横田駅ですれ違う木次線の上下列車。以南の備後落合駅までは、たった3往復の列車しかない超閑散区間だ。

[2012年(平成24年) 7月訪問](島根県仁多郡奥出雲町)

レトロ駅舎カテゴリー: 三つ星 JR・旧国鉄の三つ星レトロ駅舎

出雲横田駅訪問ノート

 小粒だけど本当に見事な和風駅舎。日本神話で、スサノオノミコトと結婚したと伝えられる奇稲田姫(クシイナダヒメ)を祀っている稲田神社最寄りの駅は、和の粋を凝らした車寄せ、校倉造の壁、入母屋の屋根など、堂々たる社殿風。きれいに整えられた植栽や和風の外観を持つトイレ、日本庭園風の空間と言った脇役も、この駅の魅力を高めている。

 駅の開業は、1934年(昭和9年)に出雲三成駅‐八川駅間が延伸開業した時で、駅舎もその時以来のものだ。

 出雲横田駅の一日の乗客数は約100人。山陰本線との接続駅の宍道駅を除くと、木次駅や出雲大東駅に次いで多い数だ。それでも1980~1990年代に比べれば3分の1に落ち込んでいる。


 2021年2月、JR西日本社長の記者会見で、新型コロナウィルスの影響で業績が悪化し、収支改善策としてローカル線の廃止に言及した。

 そこで、多くの鉄道ファンの間で浮かんだ路線の一つが木次線だったようだ。木次線は国鉄時代末期は第二次特定地方交通線、つまりは赤字ローカル線として廃止候補にあげられたが、沿線道路が未整備で免れ現在に至っている。なので路線の状況は昔から厳しいのだ。

 出雲横田駅…、そして木次線の将来はどうなっているだろうか?