埋められた庭園の池!
島根県山間部の奥出雲町、木次線の亀嵩駅はローカル線の小駅に過ぎないが、松本清張の「砂の器」に登場する駅として、また駅舎内に入居する蕎麦屋が人気で多くの人が訪れるなど、鉄道ファンではない人にもよく知られる。
そんな駅にも池庭の跡が残っていた。
昭和9年(1934年)の開業時からと思われる古い木造駅舎の前に池の跡が残る。
池の周りにはいくつもの木々が添えられている。
枯池は埋められて、表面には白い砂が敷き詰められるなどして、水は無くとも池を模した造りに変えられている。こういう場合、他の駅だと、水が抜かれたぽっかりと窪んだ穴だけが残っている状態の場合が多い。そば屋への来訪客を意識して、寂れたままにしておくも見苦しいので、埋めて庭園の体裁を整えたのだろうか…?
池からカエルの親子に見つめられていた…
[2012年(平成24年) 7月訪問](島根県仁多郡奥出雲町)
亀嵩駅訪問ノート
亀嵩駅が「砂の器」に登場したと触れたが、1974年(昭和49年)版の「砂の器」では、実際の亀嵩駅でなく木次線の他の駅がロケ地となった。亀嵩駅の大役を果たしたのが、八川駅の木造駅舎と、出雲八代駅のプラットホームだ。こんな面倒な事をした理由だが、そば屋となった駅がロケ地として不向きだった事と、プラットホーム背が崖のためカメラが引けなかったためらしい。
亀嵩駅といえば、駅舎内に店舗を構える蕎麦屋「扇屋」が鉄道ファン以外にも広く知られている。この蕎麦屋さん、事前に電話予約すれば、亀嵩駅に到着した列車まで届けてくれる。車内で美味しいお蕎麦をいただけるプチ出前は鉄道旅行者には嬉しいサービス
列車へのお届けなど、営業に関し詳しくは下記リンクから公式サイトへどうぞ。
※亀嵩駅舎内の扇屋そば
~ レトロ駅舎カテゴリー: JR・旧国鉄系の一つ星駅舎~