比婆山駅、駅舎と風景
比婆山駅訪問ノート
比婆山駅の開業は1935年(昭和10年)12月20日。開業当初の駅名は備後熊野駅だが、1956年(昭和31年)に現在の駅名に変更となった。
比婆山は駅から北に直線距離で約11㎞んにそびえる標高1299mの山で、日本神話の国生み神話女神の伊邪那美が埋葬された地との伝承があり、伊邪那美命を祭るのが熊野神社だ。
駅舎は開業の昭和10年以来のもので、熊野神社にあやかってか、小駅ながら神社を思わす社殿風の造りがユニークだ。
鳥取、島根、広島ともまたがる中国山地のこの一帯は比婆道後帝釈国定公園に指定されている。同国定公園内には名勝として知られる帝釈峡があり、熊野神社もあり行楽色のあるこのような社殿風の駅舎にしたのかもしれない。しかし現在、比婆山駅からそれら観光スポットへの公共交通は無く、歩くには距離が離れすぎているため、錆びれた無人駅と言った空気が漂う。1日の乗客は数人程度という。
しかし今ではひっそりとしてしまった駅でも、駅舎横の池のある庭園はきれいに整えられている。こういった池は、もう少しで秘境駅と言えるような駅ではほとんどが枯れてしまっている。
駅前商店(これも今や貴重!)で買い物をした時に、初老の店員さんにこの池について話題を振ってみた。すると、枯れていて池の底にはひび割れもあったけど、地元の有志で修復し維持していると教えてくれた。寂れた感は否めないが、それでも地元の人々にとって駅は集落のシンボルなんだなとしみじみと感じた。
[2012年(平成24年) 7月訪問](広島県庄原市西城町)
~◆レトロ駅舎カテゴリー: JR・旧国鉄の二つ星レトロ駅舎~
あの駅名が書かれた看板、元はどの駅にあったのか…
やはり気になる“あの”レトロさ漂う駅時刻表を使いまわした駅名看板。元々はどこの駅にあったかを、自分なりに考察してみました。下記の記事へどうぞ。
比婆山駅「あの」古い駅時刻表、どこの駅のものだったのか…?