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ときわ台駅、駅舎と風景








ときわ台駅訪問ノート
ときわ台駅は1935年(昭和10年)の開業。開業当時は武蔵常盤台駅という駅名だったが、1951年(昭和26年)に現在の駅名に改称された。
駅舎は開業以来の洋風駅舎だ。日本の駅舎としては珍しい石造りの壁で、栃木県宇都宮市大谷町から採掘される大谷石が使われている。青いスペイン瓦の屋根、改札ホールの高い天井、破風板の波線と玉の文様など、随所の洋風の造りも素晴らしい。
この駅舎は、ときわ台駅より3年早く開業した日光線の南宇都宮駅とほぼ同じデザインなのも興味深い。壁も同じく大谷石が使われている。
2008年にときわ台駅に訪れているが、その時も、趣ある洋風の佇まいに感銘を受けたもの。しかし2018年、駅舎のリニューアル工事が施された。過去の写真を参考にしたりなど、できる限り昔の姿を再現したという。リニューアル後の姿はよりレトロさに溢れた雰囲気に。駅舎横に新たに設置された大谷石の壁面「武蔵常盤小径」には、この街の昔の建物や風景を留めた写真が多く展示され、ときわ台駅の昔の写真、駅舎の図面などもあり、見ていて飽きない。
間違いなく名駅舎で、地元の人々に十二分に愛されているが、大正築の原宿駅旧駅舎が無き今、東京23区内に残る古駅舎として、もっと注目されてもいいと思う。

[2018年(平成30年) 7月訪問](東京都板橋区)
~◆レトロ駅舎カテゴリー: 私鉄の三つ星駅舎~