ときわ台駅 (東武鉄道・東上線)~開業時の姿が再現された東京23区内のレトロ駅舎~



ときわ台駅、駅舎と風景

東武東上線・ときわ台駅、大谷石の壁と古レール特徴的な駅舎ホーム側
昭和10年築の駅舎が残る東上線ときわ台駅。開業時のままと言う大谷石(おおやいし)の壁や古レールの柱が印象深い。
東上線・ときわ台駅の洋風駅舎、改札口
改札口は明り取りで塔のように天井が高く取られている。
東武鉄道東上線・ときわ台駅、昭和10年開業時の姿が再現された駅舎
北口駅舎は元々、古い洋風駅舎が使われていたが、2018年の改修で可能な限り昔の姿に改修され、よりレトロで趣のある姿に…
東武東上線・ときわ台駅、ユニークな装飾の洋風駅舎
青いスペイン瓦の屋根、破風板の波と玉の模様、窓周りの装飾など細かい装飾が洒落ている。
東上線・ときわ台駅、街の昔の風景が展示された武蔵常盤小径
駅舎右側の大谷石の壁面は「武蔵常盤小径」と名付けられ、この辺りの昔の風景や建物が展示されたギャラリーに。
東上線・ときわ台駅武蔵常盤小径、昭和30年当時のときわ台駅
その中には昭和30年に撮影されたときわ台駅舎の写真も。特徴的な部分は昔のままだ。
東武鉄道東上線・ときわ台駅、駅前のロータリー
駅前にはロータリーが整えられている。北口一帯は東武鉄道が不動産開発をし昭和11年より分譲を開始した事により発展した。
東武鉄道東上線・ときわ台駅、路地の中にある南口の駅ビル
南口駅舎は北口とは正反対のコンクリートのビルで、路地裏に佇んでいるのが不思議な感じだ。

ときわ台駅訪問ノート

 ときわ台駅は1935年(昭和10年)の開業。開業当時は武蔵常盤台駅という駅名だったが、1951年(昭和26年)に現在の駅名に改称された。

 駅舎は開業以来の洋風駅舎だ。日本の駅舎としては珍しい石造りの壁で、栃木県宇都宮市大谷町から採掘される大谷石が使われている。青いスペイン瓦の屋根、改札ホールの高い天井、破風板の波線と玉の文様など、随所の洋風の造りも素晴らしい。

 この駅舎は、ときわ台駅より3年早く開業した日光線の南宇都宮駅とほぼ同じデザインなのも興味深い。壁も同じく大谷石が使われている。

 2008年にときわ台駅に訪れているが、その時も、趣ある洋風の佇まいに感銘を受けたもの。しかし2018年、駅舎のリニューアル工事が施された。過去の写真を参考にしたりなど、できる限り昔の姿を再現したという。リニューアル後の姿はよりレトロさに溢れた雰囲気に。駅舎横に新たに設置された大谷石の壁面「武蔵常盤小径」には、この街の昔の建物や風景を留めた写真が多く展示され、ときわ台駅の昔の写真、駅舎の図面などもあり、見ていて飽きない。

 間違いなく名駅舎で、地元の人々に十二分に愛されているが、大正築の原宿駅旧駅舎が無き今、東京23区内に残る古駅舎として、もっと注目されてもいいと思う。

東武鉄道東上線、2008年当時のときわ台駅北口駅舎
(改修前のときわ台駅北口駅舎(2008年))

[2018年(平成30年) 7月訪問](東京都板橋区)

~◆レトロ駅舎カテゴリー: 三つ星 私鉄の三つ星駅舎