丘の町・美瑛の石造り駅舎
美瑛駅訪問ノート
駅の開業は1899年(明治32年)。駅舎は1952年(昭和27年)築の石造り駅舎。石は地元で産出された美瑛軟石を使っている。日本では、昔の駅舎と言えば木造が主流だが、そんな中、石造りの駅舎が造られるとは珍しい。
美瑛町は、波打つ丘陵に拓かれた畑や牧場が、ヨーロッパの田舎風景のような美しさで、今や「丘のまち」として、北海道有数の観光名所になっている。そんな町の玄関口となる駅が美瑛駅で、イングランドにありそうな石積みの洋風駅舎は、そんな美瑛のイメージにぴったりだ。
私が美瑛を初めて訪れた1989年、まださほど有名でなく、ユースホステルや、ユースホステル形式の「とほ宿」と言った宿を渡り歩く旅人に知られている程度で、観光施設らしいものは、写真家の故・前田真三氏の写真館「拓真館」くらいだった。記憶の断片に残っている駅前は、きれいに整備された今とはまるで違う。昔は駅前の古びた個人商店で、レンタサイクルを借り、丘を巡ったものだ…。
この訪問は10月末で、観光的にはオフシーズンだった。それでも美瑛駅では観光客の姿がちらほら見られ、人気の観光地になったものと実感した。
[2010年(平成22年) 10月訪問] (北海道上川郡美瑛町)
◆レトロ駅舎カテゴリー: ~JR・旧国鉄の三つ星駅舎~