今も活かされている雰囲気ある木造駅舎
豊前松江駅訪問ノート
豊前松江駅の開業は1897年(明治30年)9月25日。日豊本線の一部区間や田川線などの起源となった豊州鉄道時代で、開業時は松江駅という駅名だった。その後、1907年(明治34年)に九州鉄道、1907年(明治37年)に国有化の道を辿り、現在の駅名になったのは1945年(昭和20年)5月1日だ。
現在の木造駅舎は1932年(昭和7年)築。使い込まれた木の質感のままの年月が味わい感じさせる木造駅舎だ。そう感じるのは、サッシ窓の枠が茶色というのが、本来の雰囲気を阻害していないお陰とも言えるだろう。
古い木造駅舎は経年劣化で改修の必要が生じる。木だった窓枠は銀色のサッシ枠に取り替えられる事が多い。そうなると、どうしても木の質感の中で浮いてしまう。木造駅舎は残っているだけで素晴らしく、あまりいろいろ言うとバチが当たるかもしれない。だけど、こんな風に元々の雰囲気を考えてくれると、よりその駅舎の魅力を堪能できるものだ。
この駅では花壇の薔薇の花と木造駅舎が引き立てあっているかのような美しさも印象深かった。しかしその後、ネット上のニュースで、花壇を手入れしていた女性が高齢のため、花が咲かなくなたと言う。しかし、九州鉄道OB会の方々が花壇の手入れをするようになったとも書かれていた。
今度、豊前松江駅を訪れる時、どんな花が咲いているのだろう…
[2007年(平成19年) 6月訪問](福岡県豊前市)
~ レトロ駅舎カテゴリー: JR・旧国鉄の二つ星レトロ駅舎~