南海電鉄・高野線、高野下駅舎ホテルに泊まった!~[1] 改修前編~



大正築の歴史ある木造駅舎がホテルに!?

 南海電鉄高野線、高野下駅の木造駅舎がホテルに改修され、2019年(令和元年) 11月2日に開業した。正式名称は
NIPPONIA HOTEL 高野山 参詣鉄道 Operated by KIRINJI
と少し長い。南海電鉄の協力のもと、KIRINJIという会社が運営するとの事だ。

 高野下駅と言えば、駅開業1925年(大正14年)以来の木造駅舎が残っている事で知られている。そんな駅舎が宿泊施設となって泊まれる訳だから、レトロ駅舎好きにとってはまさに究極のホテルだ。

 築95年の古駅舎とは言え、室内はしっかりリノベーションされ快適に過ごせそう。室内の装飾には南海電車廃車両のパーツがあしわられているという。

 部屋は2部屋のみ。駅舎内九度山駅寄り、駅事務室や宿直室だった部分を改装した部屋が「高野」。44平方メートルと広く、ダブルベッド2台で定員は最大4名。そしてもう一部屋、極楽橋寄りの乗務員休憩所跡だった部屋が「天空」。17平方メートルにダブルベッド1台で定員は最大2名。天空の方はやや狭いかなと…

 値段は時期にもよるのだろうが、2020年3月の料金を見てみると、「高野」の方が約4万円、「天空」の方が約2万円。何人で泊まっても変わらないようだ。鉄道の歴史的遺産に泊まるという特別感を考えれば、その分高くなるものだろうが、一人で泊まるには高級ホテル並みの宿泊料で2の足を踏んでしまいそうだ。しかし、駅舎ホテルに泊まるという魅力には抗えない。…という事で、幾分か安い「天空」の方を予約した。

ホテル改修前の高野下駅

 高野下駅前には、改修より約11年半前の2008年(平成20年)5月にも訪れていた。なので、ホテルになるというニュースを聞いた時、「あの駅が…」と驚きは大きかった。

南海電鉄高野線・高野下駅、木造駅舎ホーム側

 プラットホームから高野下駅の駅舎を九度山駅の方向から眺めた。後に「高野」の部屋になる側だ。高野線の末端区間、橋本駅-極楽橋駅間はいい木造駅舎がひしめいている。高野下駅もそんな駅舎の一つだ。

南海電鉄高野線・高野下駅、高床式の木造駅舎

 少し高い所に敷かれた線路に合わせ、木造駅舎は嵩上げされた位置にあり、木の壁で囲まれた長く広い階段で駅舎に上り下りしなければいけない。それいう理由もあるが、駅舎の下を通りぬける道路は、1959年(昭和34年)までは高野山森林鉄道が運行されていたという。色々な要素が重なり、こういう個性的な駅舎になっているのが面白い。

 2009年(平成21年)、高野下駅は他の高野線末端区間の駅や橋梁などと共に、高野山参詣関連遺産遺産として、近代化産業遺産に登録された。

 階段左横の窓がある部分が後に「天空」の部屋となる部分だ。

南海電鉄高野線、高野下駅、山間の集落に不動谷川が流れる

 駅は山間の集落の中にあり、すぐ横を不動谷川が流れる。周囲には郵便局や家屋が寄り集まるが、緑に囲まれひっそりとした雰囲気で、秘境駅のムードが漂う。

南海電鉄高野線・高野下駅、訪問時はまだ有人駅だった。

 私が訪れた時はまだ有人駅で、駅事務室では駅員さんが働いていた。2013年(平成25年)4月1日から無人駅になったという。

南海電鉄高野線・高野下駅改札口

 改札口の横には、木枠の窓がある小部屋があった。その時は、まさか11年後に、この部屋に泊まる事になるとは露ほども思っていなかった…

[2008年(平成20年)5月](和歌山県伊都郡九度山町)

~◆レトロ駅舎カテゴリー: 三つ星 私鉄の三つ星駅舎

⇒本編と言える高野下駅舎ホテルの宿泊記は2ページ目へ
⇒駅舎ホテル朝食の九度山駅「おむすびスタンドくど」は3ページ目へどうぞ!

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