上州七日市駅 (上信電鉄)~住宅に挟まれ立地する木造駅舎~



駅員宿舎付きの個性的な木造駅舎

上信電鉄・上州七日市駅、駅舎は家屋に挟まれて立地

 民家の間から垣間見える上州七日市駅。周囲には民家が迫り、駅前広場などと言ったゆとりのあるスペースは無い。道は駅舎で突き当たりとなっている。民家の隙間に無理やり駅舎を作ったのか…?それとも、駅舎の周りに密着するように住宅が建てられていったのかと思える程、駅舎と民家の距離感は無い。

上信電鉄・上州七日市駅、駅員宿舎付きの木造駅舎

 古そうな木造駅舎だが、駅舎左横の民家が合体したような造りが面白い。玄関があり、縁側のような造りの窓もある。塗装も同じ薄緑色で、駅本屋と一体感がある。かつての駅員宿直施設だったのだろうか。今は「空家」のようだが、荒れ果てている感じはせず、玄関の戸はサッシ戸に換えられていた。

上信電鉄・上州七日市駅の木造駅舎

 駅舎正面からの全景を収めたいが、ぎりぎの場所に民家建つ駅前はとても狭い。ズームレンズを最広角側の24mmにして引いたりずれたりしてみたが、宿舎を除いてなんとか収めるのが精一杯だった。

 宿直室跡は地面と同じ高さにあるが、駅本屋はプラットホームと同じ高さに合わせ、やや高い位置に建てられていいる。内部に入るには階段を数段上らなければいけない。

 レールが敷かれた築堤に高さを合わせた駅舎で、階段を上がると、窓口と待合室があった。待合室は意外と広い。写真左の駅事務室は宿直室に寄りにある。両者は内部で繋がっているのかもしれない。

上信電鉄・上州七日市駅、窓口に置かれた生花

 切符売場のカウンターには、花が生けられた空瓶があった。瓶の女の子のイラストがレトロ調で、この駅空間の中にあってなんとも不思議な雰囲気を奏でる。

上信電鉄・上州七日市駅の待合室、窓の外眼前には家屋

 待合室から窓の外を見ると、こんなにも民家が迫ってきているのに驚かされた。さすがに民家の駅舎側には窓は無いようだ。もしあったとしたら、待合室の中、あるいは部屋がが丸見えで、住人、乗降客双方とも居心地が悪そうだ。

上信電鉄・上州七日市駅、駅舎北側出口と自転車置場

 先ほどの駅舎正面だけでなく、東側にも出入口がある。こちら側は裏口間漂うが、スペースに余裕があり、ホーム横が自転車置き場になっている。通路は線路を潜り、駅舎の反対側に伸びていた。

上信電鉄・上州七日市駅の木造駅舎、ホーム側

 駅舎プラットホーム側から駅舎を眺めた。正午、事務室のカーテンは閉じられ利用者も少なく、駅は静かだった。

 下仁田から折り返してくる時、車内からこの駅を注視した。下校時間帯で、学生など先程よりは人気があり、事務員風の制服を着た女性駅員さんが、プラットホームに立ち検札と集札をしていた。その様子を眺め、駅員さんが居る木造駅舎の風景って何かいいよなとホッとする心地を感じだ。

[2004年(平成16年) 9月訪問](群馬県富岡市)

追記: その後の上州七日市駅

 2018年(平成30年)10月18日より、上州七日市駅の駅舎の改築と駅前広場の設置工事が開始された。県立富岡高校と富岡東高校が統合となり、校舎は前者に一本化される事となり、最寄駅となる上州七日市駅の利用者増が見込まれるため、これを契機に整備が決められた。

 新駅舎は2019年(平成32年)の2月中頃から供用開始となった。駅前広場は、駅舎の左側一帯が用地となり、家屋の立ち退きなど、整備が進められ、2019年(令和元年)7月23日に事業完了の式典が開かれたという。

 新駅舎はここで取り上げている旧駅舎に似せた造りにしたようだが、駅員宿舎部分にはトイレや、待合室や図書コーナーが設置された。

 そして民家が迫り狭かったあの駅前とは見違えるような駅前広場が出来上がっていたのには驚くばかりだ。


~◆レトロ駅舎カテゴリー: 私鉄の失われし駅舎


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