東佐野駅 (JR西日本・阪和線)~洋風な屋根が特徴的な小さな木造駅舎~



小さな洋館風のレトロ駅舎

JR西日本阪和線・東佐野駅、古い石積みが残るプラットホーム
阪和線・東佐野駅のプラットホーム。元々の古い石積みを土台に、コンクリートで拡張されている。
JR西日・阪和線・東佐野駅、昭和14年以来の洋風木造駅舎が現役。
急角度の半切妻屋根が特徴的な東佐野駅の木造駅舎。スペイン風の洋瓦がよく似合う。駅開業の昭和14年、阪和電気鉄道以来のもの。
阪和線・東佐野駅の木造駅舎、駅舎側面
駅舎は高い屋根を備えメインとなる部分に、平屋の事務室を取り付けたような、レトロな洋館付き住宅風。
阪和線・東佐野駅、駅舎の腰壁はタイルで装飾されている。
切妻屋根以外の部分は、一見、素っ気ないが、腰壁がタイルで装飾されている。
阪和線・東佐野駅、ロータリなど小奇麗に整備された駅前
駅前はロータリーが整備され都市郊外の雰囲気。一日の乗客は1300人ほど。
阪和線・東佐野駅、駅舎内の改札口と切符売場
駅舎内は改札口と切符売場があるだけとシンプル。8:00~19:30分の営業だが、係員不在時間は多めで訪問時も閉まっていた。
阪和線・東佐野駅、柱裏側のちょっとした展示スペース
正面の一見、どっししとした柱は壁の一部のような感じ。裏側は展示スペースで生花が飾られ、駅にちょっとした潤いをもたらす。
阪和線・東佐野駅、昭和の古い駅舎を支える木の柱
新しいものに交じりながら、木の柱たちが古い駅舎を支える。

[2020年(令和2年)3月訪問](大阪府泉佐野市)

レトロ駅舎カテゴリー: 二つ星 JR・旧国鉄系の二つ星レトロ駅舎

東佐野駅訪問ノート

 東佐野駅の開業は阪和電気鉄道時代の1939年(昭和14年)1月9日。当初の駅名は泉ヶ丘駅。同社子会社が開発した泉が丘住宅地の最寄駅として設置された。阪和電気鉄道はその後、1940年に南海電鉄に合併、1944年5月1日に戦時買収により国有化された。国有化時に現在の東佐野駅に改名された。

 木造駅舎は昭和14年の開業以来のもの。急角度の半切妻屋根が特徴的で、スペイン風の洋瓦がよく似合う洋館風。

 しかし駅舎は改札口、出札口、駅事務室だけの機能しか無く、現在は乗降客のための待合スペースは無い。かつては僅かにベンチが置かれていたようだが…。乗降客にとってこの駅舎は、一瞬、通り過ぎるだけの存在なのだろう。

 こういった特徴は山中渓駅や長滝駅と言った他の阪和線小駅の古駅舎にも見られ、他の取り壊された旧駅舎の写真からも見て取れる。阪和電気鉄道の小私鉄的な駅舎設計思想が垣間見られ面白い。