駅舎の陰にひっそりと…
富山地鉄の駅めぐりを堪能する旅の途上、電鉄石田駅に降り立った。
駅をいつものようにあれこれ見ていると、駅舎横の裏手に、枯れた池のある庭園があるのを発見した。乗降客の流れや視線から殆ど外れている場所で、なぜこんな場所にと不思議に思う。しかし、昔はもっと乗客の目に付く場所だったのかもしれない。あるいは、駅員さんが勤務の合間に眺めてはホッと一息ついていたのかもしれない…
あれこれ言っても、今は忘れ去られた存在という事には変りは無い。
[2005年(平成17年) 7月訪問](富山県黒部市)
再訪
2010年9月末、5年振りに電鉄石田駅を再び訪れた。古い駅舎も気になるが、あの枯池が気になって、真っ先に見に行った。
改めてみると、ごつごつした石で縁取りされ、しっかりとした造りだ。緑に囲まれた池が少しの水を湛えた様は、庭園の趣きを取り戻していたかのよう。雨水が溜まっただけなのだろうが・・・。
それにしても、駅舎裏手の駅員出入口辺りという位置は、やはり不思議だ。
元京阪電鉄の10030系電車が電鉄石田駅を通り過ぎていった。
乗客がこの池庭の存在に気付くとしたら、動く列車の車内からだ。しかし、枯れた今、恐らく誰からも顧られないのだろう。しかし、この池庭が水を湛え現役だった頃、列車に乗っていた乗客達は、この池にはに気付いたのだろうか…?
[2010年(平成22年) 9月訪問]
電鉄石田駅訪問ノート(駅舎etc…)
富山電気鉄道時代の1937年(昭和12年)5月31日に信号所として開設され、3年後の1940年(昭和15年)の6月1日に旅客駅に昇格となった。「電鉄」と開駅当時の社名を駅名に残すが、黒部鉄道石田港線(後の富山地鉄石田線、廃線)の石田港駅と区別するためだ。
駅舎は1958年(昭和33年)築の木造モルタル駅舎が現役だ。床面積の割に高い三角屋根が目立つ駅舎が特徴的で、豆タイルが敷き詰められた車寄せなど、昭和レトロな雰囲気が漂う。無人駅。
~◆レトロ駅舎カテゴリー: 私鉄の二つ星駅舎~