野馳駅 (JR西日本・芸備線)~木の質感豊かな昭和の木造駅舎~



昭和5年築の木造駅舎

JR西日本・芸備線・野馳駅。開業の昭和5年以来の木造駅舎
芸備線・野馳駅(のちえき)。昭和5年(1930年)の開業以来の木造駅舎。タクシー会社が入居する。
芸備線・野馳駅の木造駅舎、木の質感豊かな待合室
木の造り付けベンチ、木枠のガラス窓、そして浮かび上がる木目…、待合室に入るとこの駅舎の素晴らしさをより実感する。
芸備線・野馳駅の木造駅舎、木のままの天井
使い古され木目うねる天井。私は木造駅舎という異空間にいる…
芸備線・野馳駅、簡易委託駅のためまだ使われている古い窓口
簡易委託駅で切符売場も使われている。奥からはタクシー会社の人の気配が伝わる。まさに昔の駅の空気感。
JR芸備線・野馳駅の木造駅舎、ホーム側の改札口
駅舎ホーム側も昔の造りを留める。こちらも木の質感が素晴らしい。
芸備線・野馳駅、廃ホーム跡の階段
反対ホームは廃されて久しく遺跡の風情。「右よし」「左よし」構内通路の古い表示がかすかに残る。

野馳駅訪問ノート

 1930年(昭和5年)11月25日開業時から使い続けられる木造駅舎。それ以来大きな改修される事は無かったのだろう。昔のままの造りをよく留め、使い込まれより渋味を増した木の質感が印象深い。

 駅舎の旧駅事務室にはタクシー会社が入居し、簡易委託を請け負っている。そのため、これほどまでに古く味わい深い駅舎が、結果としえて見事に活用されている。駅事務室に人がいる光景は、正式な駅員さんではないものの、半世紀以上前の鉄道が賑やかだった頃の駅を思い起こさせる空気感に溢れている。

[2015年(平成27年) 4月訪問] (岡山県新見市)

~◆レトロ駅舎カテゴリー: 三つ星 JR・旧国鉄の三つ星駅舎