大間々駅(わたらせ渓谷鐡道)~国鉄ローカル線の主要駅らしさを残す木造駅舎~



20年振りに大間々駅舎へ…

 久しぶりのわたらせ渓谷鐡道。しかし今回は訪れたい駅にすべて行けるほどの時間は無い。どの駅に行こうか迷ったが、今回は20年振りの大間々駅にした。2003年1月以来だ。その時は駅舎を撮影し、近くのコンビニで昼食を買い、待合室で食べたという思い出がある。あれからどうなっているのだろうか…

わたらせ渓谷鐡道・大間々駅3番ホームに咲く桜

 2番ホームに降り立つと桜が見事に咲き誇っていた。桜を遮るような上屋がちょっと恨めしいような…。けれど雨水がしたたる花びらの風情もなかなかいいもの。

わたらせ渓谷鐡道・1番線の木造上屋が見事な大間々駅

 駅舎に面した1番ホームは見事な木造上屋で覆われていた。まるで何十年も昔の駅にいるかのような心地になる。

 駅舎はセメント瓦にオフホワイトのモルタル壁が特徴的な木造駅舎。国鉄足尾線時代から主要駅の一つで、やや大きめの駅舎。

 派手さは無いが、新建材等で味気なく改修される事もなく昔ながらの姿を良く残し、しっとりとした味わい深さを感じる。昔の国鉄ローカル線の主要駅はこんな風だったのかと思わせるものがある。

 大間々駅の開業は足尾鉄道時代の1911年(明治44年)4月15日。現在の駅舎は貨物と旅客需要の増加に対するため1941年(昭和16年)に建て替えられたものだ。

 この駅舎は明治竣工の1番2番プラットホームと共に、2009年に登録有形文化財に指定された。

わたらせ渓谷鐡道、昭和16年築のレトロな木造駅舎が現役の大間々駅

 横長の建物に対し、直角に切妻屋根の出入口が設けられている。紺色の地味でレトロな駅名標、そして時計を掲げる姿が、まさに昔の駅のいでたち。近年では時計が撤去される駅もあると言うが、やっぱり時計を掲げているのが主要駅らしい。

 風除けなのか、車寄せにガラス窓のある仕切りが設けられているのが特徴的だ。

大間々駅の木造駅舎、味わい深い造りの車寄せ

 仕切りのある車寄せは古い木の造りを残し歴史を感じさせた。裏側の一部の木材は丸太、支える四角い柱は切込みの模様が入るなど、ちょっとした意匠感じさせ洒落ている。

わたらせ渓谷鐡道・大間々駅、出入口横にある窓口跡

 車寄せ左側には、カウンターのある小さな窓口跡があった。荷物扱い窓口だったのだろうか…?かつての賑わいを偲ばせた。

わたらせ渓谷鐡道・大間々駅、駅前敷地内に咲く桜

 主要駅だけあって、駅舎正面にはゆとりあるスペースがあった。片隅の桜はあと少しで満開だ。

わたらせ渓谷鐡道・大間々駅、開業以来の気動車が静態保存されている。

 駅舎左側にある駐車場には、わたらせ渓谷鐡道発足時に導入した車両、わ89-300形とわ89-100形が静態保存されていた。きれいに維持されレールに載せられた様を見ていると、プラットホームや構内の車両基地に溶け込んでいるかのよう。今にも動き出しそうだ。

待合室、そして古い看板…

わたらせ渓谷鐡道・大間々駅待合室

 パンフレット、沿線写真、ガチャ…、同社有数の主要駅だけあって色々なものが置かれている。そんな中、待合室を取り囲むように巡らされた木の造り付けベンチや、天井に張り付いたような木の棒など、古い造りを垣間見せる。天井の木は、車寄せ同様に切込みの模様が刻まれている。

大間々駅窓口、わたらせ渓谷鐡道本社が入る有数の主要駅らしさある

 手小荷物窓口跡と出札口は掲示物で賑やか。本社のある有人駅で、駅員さんの気配もする。主要駅らしい雰囲気だ。

わたらせ渓谷鐡道、大間々駅始終着のトロッコ列車は人気

 大間々駅はわ鉄名物のトロッコ列車の始終着駅でもある。この日は気動車のトロッコわっしー号の出番で、客車でディーゼル機関が引くトロッコわたらせ渓谷号は構内でお休み中。

 あいにくの雨だが、春の観光シーズンで本日満席。

わたらせ渓谷鐡道・大間々駅に残るホーローの古い看板

 やっぱりいいなあと1番線の木造上屋を見ていると、柱に「足尾方面」と標されたレトロな看板があるのを発見した。耐久性のある琺瑯(ホーロー)製とは言え、縁に錆びが見られるなど年季が入っている。何十年…、いや、半世紀以上もこの駅で使われているのだろう。

[2023年(令和5年)3月訪問](群馬県みどり市)

レトロ駅舎カテゴリー:
二つ星 JR・旧国鉄系の二つ星レトロ駅舎