追分口駅(えちぜん鉄道・勝山永平寺線)~中と外のギャップが面白くもある木造駅舎~



旅の終わり、夜の情感を味わいつつ…

えちぜん鉄道・勝山永平寺線・追分駅、トタン張りに改修された木造駅舎
1泊2日のえち鉄駅巡りの旅で最後に訪れたのが追分口駅。トタンで覆われた木造駅舎は闇の中に
えちぜん鉄道・追分口駅、車両より狭い?プラットホーム
ホームは車両より狭いのではと思えるほど幅が狭い。構内通路で駅舎を介さず直接、外に出られる。
えちぜん鉄道・勝山永平寺線、夜の追分口駅構内
旅の終盤でまみえる夜の情感はいっそう心にしみるもの…
えちぜん鉄道・勝山永平寺線・追分駅、きれいに改修された待合室
トタンで古びた外観に比し、待合室内部の壁は真新しい木で改修され素朴な雰囲気。窓口と駅事務室だった場所も待合室に。
えちぜん鉄道・勝山永平寺線、追分口駅舎、待合室内の駅文庫
造り付けの本棚が壁に埋められミニ文庫や生花が、木の温かみが引き立たせるかのよう…
えちぜん鉄道・勝山永平寺線、追分口駅舎、待合室の古い木枠の窓
だけど窓枠は古いままなのが味わいがあって良い。錠は鉄の棒を立て中に差し込んでくるくる回すレトロなやつ。
えちぜん鉄道・勝山永平寺線、袋小路のような奥まった立地の追分口駅
駅舎は住宅の袋小路のような場所にひっそり佇む。車は通り抜けられない。

追分口駅訪問ノート

 木造駅舎の外壁は白いトタンで改修されていた。安っぽさは否めないながらも、それでも軽快な雰囲気に。えち鉄には無名の木造駅舎が多く残るが、山王駅など多くがこのように改修されている。いわば「えち鉄仕様」の木造駅舎と言える。

 更に内部は壁が素朴な木の板に改修されていた。木の温かみが感じられる落ち着いた空間は、自然志向の今どきのお店か何かのよう。私のような古くレトロな駅舎が好きな者は、使い込まれ古くくすんだ方が味わいがあると感じるものだろう。しかし一般の利用客にとっては、きれいに改修されていた方が居心地がいいと感じるもの。列車と人を繋ぐ接点である駅を明るい雰囲気にして、快適に利用してもらおうというえち鉄の心意気を感じる。

 追分口駅の開業は1915年(大正4年)5月13日。この駅舎は何年に建てられたかは不明だ。

[2014年(平成26年)11月訪問](福井県福井市)

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