大正より首都の雑踏に佇み続けた木造駅舎を愛でる
2016年6月、原宿駅が建て替えが発表された。原宿駅と言えば1924年(大正13年)築の木造駅舎が現役で残り、都内最古の木造駅舎として知られていた。建替え発表時点では、今の駅舎をどうするかの発表は無かった。
原宿駅は2004年に訪れたっきりだった。もしかしたら無くなってしまうかもしれないので、そうなる前に訪れたいと思った。
[2017年(平成29年) 訪問](東京都渋谷区)
そして終焉、再建へ…
大正築の木造駅舎は建築的に価値が高く、長年、原宿に佇み続けた小さな駅舎は街の風景に溶け込み、人々の愛着も並々ならぬものがあった。取り壊されるのか… それとも保存されるのか移築か… 建替えが発表されてから駅舎の処遇は大きな関心が寄せられていた。
だげど結局、取り壊される事になった。
2020年(令和2年)3月21日、新駅舎が供用開始となり、旧駅舎となった木造駅舎のシャッターは固く閉じられた。しかし直ぐに取り壊しに入る事は無いという。当初はオリンピック・パラリンピックの閉会後に取り壊される予定だったと記憶している。なのでしばらくは残りそうだ。
2020年8月、取り壊し後、旧駅舎が復元される事が公表された。旧駅舎とほぼ同じ位置で、防火性に配慮しつつ、旧駅舎の部材をできる限り再利用するという。
完成後のイメージ図を見ると、出入口とその両脇の窓部分までの構造が残るよう。少しズレるものの、ほとんど同じ位置なので、これならこの歴史的建築物をそのまま保存すればいいのにと思わなくもない…。しかし、人が多い街中という事で、防災面で難しいものがあるようだ。
そして8月24日より旧駅舎の解体工事に入る事も発表された。残された時間はほんとうに僅かとなってしまった…。復元される駅舎がいいものになるよう期待している。