秩父駅旧駅舎と風景
旧秩父駅舎訪問ノート
秩父駅の旧駅舎は、前身の上武鉄道時代の1914年(大正3年)に開業時からのものだ。吹き抜けの明り取りの塔屋を載せた造りが特徴的で、広い屋根にびっしり詰められた黒い屋根瓦や、半切妻の車寄せが味わい深い洋風木造駅舎だ。設計は地元秩父出身の坂本朋太郎氏と言われている。
駅舎建て替えにより、1984年(昭和59年)に、現在の秩父聖地公園に移築保存された。2001年には国の登録有形文化財に指定。
移築保存されたのは素晴らしいが、裏が墓場というのが最初はちょっと…と思った。でも取り壊されるよりよっぽどいい。それにお墓で眠っているいのはほとんどが秩父市民なのだろう。なのでそこで眠る方々にとっても、長年慣れ親しんだ秩父駅舎が側にあり、もしかしたら喜んでいるのかもしれない。そして古き駅舎にとっても、市民に寄り添うように「第二の人生」を過ごすのは、とても良い事だ。
内部は秩父市立民俗博物館として利用されていたが、私の訪問時は既に閉館となっていた。また隣接して明治築の洋風建築の校舎、大宮学校も移築されていたが解体された。しかし、部材は保管されているとの事。
通常は非公開だが、お彼岸やお盆の時期など、不定期ではあるが無料休憩所として開放される事がある。
(※公開がある場合、秩父市の広報誌「市報ちちぶ」で事前に告知されているようである。
秩父市公式ウェブサイトの市報ちちぶのページから各号のPDFファイルへ。)
[2009年(平成21年) 11月訪問](埼玉県秩父市)
~◆レトロ駅舎カテゴリー: 私鉄の保存・残存・復元駅舎~