不思議なミニ庭園跡
5月の連休明け、女鹿駅への再訪を果たした。
朝に寝台特急日本海で酒田駅に到着した。しかし女鹿駅に停車する一日の列車本数は僅か1ケタ…。次の下り列車は午後だ。仕方なく、隣の吹浦駅まで列車で行き、そこからから歩くしかなかった。小雨降る中、日本海を眺めつつとぼとぼ歩き続けた。
2時間近く掛けて歩いた末に辿り着いた女鹿駅は、満開の八重桜につつまれていた。美しい風景に歩いた疲れが吹き飛んだ。
3年ぶりに女鹿駅を堪能していると、1番ホームからあのボロ待合室に上がる階段の左横に、枯池があるのを発見した。こんなモノがあるなんて前回は全く気づかなかった。でも、殆ど自然と同化してしまっているので、それも仕方が無いだろう…。雑草が生えている斜面に小さな窪みがあり、そこにカーブが掛かったコンクリートの橋が架かっていたので、何とか気づく事が出来た。察するに、ごく小規模な庭園だったようだ。
信号所として1962年(昭和37年)に開設され、1987年のJR発足時に駅に昇格した。小さな駅舎は信号所時代からのものと思われ、旅客的に有人駅だった痕跡は無い。そして、乗降客は非常に少なく、停車する列車も数本で、秘境駅と称される程だ。そう考えると、そんな駅にも池庭を造ったのは何故だろうと不思議に思える。信号所を開設した際に何となく造ってしまったのか…、信号所の係員が手持ち無沙汰に造ったのか…、駅昇格記念に造ったのか…、地元住民が勝手に作ったのか…。謎は深く、それは何故、駅に池庭があるのだろうとういう疑問へと繋がっていく。
[2006年(平成18年) 5月訪問] (山形県飽海郡遊佐町)
女鹿駅訪問ノート
羽越本線随一の秘境駅で、「女鹿」と手書きで駅名が書かれたボロ待合室がファンの間で有名だった。1日の列車は、早朝の上り酒田方面が数本。下りの秋田方面が午後~夜に数本と非常に少なく、列車での到達が困難な駅。秋田県との県境に近い山形県内羽越本線最北端に位置する。
待合室は2016年(平成28年)に建て替えられた。
※2003年の女鹿駅訪問記はこちらへどうそ。
『女鹿駅~たった数秒、視界を掠めた駅を訪ねて…~』