10年振りの再訪
JR九州・筑肥線の鹿家駅。かつては木造駅舎があり、2005年に訪れた事があります。しかし2013年に老朽化のため取り壊されたしまいました。保存の動きがありましたが、残念ながら実現しませんでした。
2015年、筑肥線に乗った時、どうなっているのかなと鹿家駅に下りてみる事にしました。
大きな桜の木は旧駅舎時代からのもので、懐かしさ感じさせます。駅舎は黒みがかった透明の板張りの簡易駅舎なっていました。ひっそり人の気配が希薄な無人駅なので、防犯のため、中が見通せるようにしたのでしょう。
筑肥線のこの区間は、福岡市営地下鉄空港線と相互乗り入れ運転しています。仮にも地下鉄に乗り入れる列車がやってくる駅が、無人駅のちっぽけな簡易駅舎ってなんか違和感というか驚きが…。
さて、九州花火大会のための臨時列車の運行を伝えるこの貼紙。…じゃなくて、私が言いたいのはその背後に薄っすらと浮かぶ写真…。そう、鹿家駅旧駅舎である木造駅舎の写真が、壁の透明の板にプリントされているではありませんか!しかもあの桜が満開の鹿家駅のいちばん美しい季節。ちっぽけで無味乾燥と思っていた新駅舎に込められた旧駅舎へのオマージュに感激。
しかし見ての通り、貼紙が台無ししている感が残念。狭い室内とは言え、目立つように告知するためには、この場所が良かったのかもしれませんが…
その上には、旧駅舎に駅舎の正面に掲げられていたと思われる駅名看板が掛けられていました。地元の方々をはじめ、旧駅舎を惜しんだ人へのせめてものアンサー。
こういうやり方もあるのだと、オマージュとして素晴らしい表現だけに、やっぱり、もう少し貼紙の場所を考えて欲しかったなあ…
[2015年6月訪問](福岡県糸島市)