函館本線・森駅前の気軽なビジネスホテル
この冬、特需を迎えるだろう…、いや、もう既に函館本線の駅巡りをする鉄道ファンで賑わってるかもしれない森駅前のビジネスホテル。
と言うのも、次回2022年3月のダイヤ改正で、JR北海道の7駅廃止が決まり、その内の5駅が函館本線の駅。しかも森駅に比較的近い位置に集中しているからです。その5駅とは一つ北隣の石谷駅と更に一つ北の本石倉駅。そして森駅から分岐する砂原支線の銚子口駅、流山温泉駅、池田園駅。
列車本数が非常に少ないローカル線だと、大抵、朝と夕方から夜に列車が集中してます。「集中」と言ってもたった数本ですが…。
函館本線の5つの廃止駅で、大体、中間地点にある森駅前は宿泊地として便利。夜に森駅に着いて、翌朝、次の駅を目指すとか…
森駅のある森町は小さな町ですが、駅前に旅館やビジネスホテルなどいくつかの宿があります。その中から今回の旅では、森駅の真正面にあるルーストンホテルを選択。信号に引っかからなければ一分と掛からなく、鉄道旅行にはこの上ない好立地で宿泊料金もお手頃。
今回は輪行での旅で、石谷駅を訪れた後、自転車で夜の7時頃にホテル入り。
全31室の小さなホテルで、ロビーもこじんまり。片隅に電子レンジが一台あり、外で買ってきたものを暖められます。
部屋は禁煙のシングルルーム。激狭でもなく、ごく普通のビジネスホテルの客室と言った感じで、。やや古めですが、それでも掃除はきちんとされ、部屋に身を落ち着けるとホッとします。
デスク周りもごく普通。壁に据え付けのドライヤーが、もはやレトロな感。十何年か前まではビジネスホテルの一般的なスタイルでしたが、現在は普通のドライヤーを置いてある所が多くなっています。
引き出しは壊れていて使用不可の表示が…。メンテナンスがあまりよろしくないと思いましたが、連泊でない限り引き出しを使う事はなく、あからさまに酷い状態でもなかったので、まぁ許容範囲。
困ったと言えば、古い宿によくあるのですがコンセントの少なさ。目に付くところにあったのが、デスク上の短い延長コードたったひとつだけ。壁の足元あたりに掃除機用のコンセントがあるかと思い探したのですが、どうやら無かったよう。見落としはあったかもしれませんが…。結局、テレビ裏に空いているコンセントを見つけ、スマホとカメラ用電池の充電をこなしました。
部屋の窓は西側に向いていて、自室からは裏通りの眺めが広がっていました。夜ですっかり沈黙していますが、こういう地方の街に泊ってる事を実感できる街の夜景もまた面白いもの。
ホテルは森駅側にも面しているので、事前に希望すれば森駅を眺められる部屋をアサインされたかも。ステーションビューはばっちりですが、駅周囲に建物が建ちトレインビューは期待できなさそうです。
あと近くにセブンイレブンがあったのが便利でした。都会では駅前にコンビニはあたりまえですが、そうでないと意外と無かったり、あっても駅から何分も歩かなければいけない場合があったりします。なので旅行で夕食がコンビニ飯確定の時は、Googleマップで周辺のコンビニを調べるのは必須で、宿の近くに無い場合は、事前にコンビニがある駅で夕食や朝食を買う事もあります。
画一化しているコンビニでも、ローカルフードを置いてある場合もあり、ざっと見てみるとありました。いかめしが!駅弁のいかめしではなく、真空パック製品だったのですが、森町と言えば今やいかめしで有名。ワンパック購入し夕食のおかずにしました。
あの駒ヶ岳の下へ…
翌日、砂原支線上り6時6分発列車に乗るため、夜も明けきらぬ5時50分にチェックアウト。こんな早朝に森駅にいるのは実は2回目。十数年前、夜行急行はまなすを一夜の宿にし、函館で真夜中に下車し、寝台特急北斗星を座席利用し森駅まで戻り、砂原支線に乗った時以来…
砂原支線は列車本数は少なく、上りは朝に3本列車がありますが、次が14時代で6時間以上も感覚が空きます。なので駅巡りの旅で訪問駅数を稼ぐとなると、どうしても早朝出発となってしまいます。
駅はとっくに目覚めていました。まだ10月末ですが、たったの5℃。冬のような寒さ。
駅窓口が開いていたのは驚きでした。JR北海道では近年、ローカル線の有人駅では、窓口の営業時間が短縮され、夜や早朝は開いていない駅が増えてきています。
跨線橋を上った頃、やっと空が赤く染まり始めました。今日はその先にそびえる駒ヶ岳の周りを列車と自転車で走り抜けるつもり。
今日もいい旅になりそう。
[2021年(令和3年)10月訪問](北海道茅部郡森町)