三島駅前の最高の立地
3泊4日の静岡県東部と、ちょっとその周辺を巡る旅。3泊別のホテルを渡り歩くのではなく、今回はどこかを拠点に3泊した方が、荷造りの手間を省け、真ん中2日は不要な荷物をホテルに置いておけ身軽になれる。
沼津駅前か三島駅前で迷ったが、後者の富士山三島東急ホテルにした。駅前どころか、三島駅直付けという最高の立地で、列車や駅の眺め…いわゆるトレインビューが大いに期待できるホテル。三島駅は東海道新幹線、東海道本線、伊豆箱根鉄道の3線が乗り入れる。


富士山三島東急ホテルの部屋選び
やっぱり富士山が見える部屋がいいよね
東急ホテルと言えば四つ星、五つ星に相当する日本の高級ホテルの一つ。富士山三島東急ホテルの宿泊料は一泊につき一万後半。ちょっとというか、自分にとってはだいぶ高い。しかし、穴ぐらのようなビジネスホテルに寝に帰るのではなく、3泊するからこそ、いいホテルを選び客室でもゆったり過ごしたかった。
客室はやはりトレインビューは外せない。ホテルは三島駅の南側に位置するので北向きの部屋は必須だ。
ホテル名は通常なら「三島東急ホテル」となるのだろう。しかし、約30㎞北にそびえる富士山の観光拠点になるとは言え、「富士山三島東急ホテル」を正式名称としている事から、富士山の眺望には絶対的な自信を持っているのだろう。地上60mの位置にある最上階には、富士山を眺められる展望風呂もある。
なので列車や駅に加え、富士山の加えた絶好の眺めを愉しむには、やはり北側の部屋がいい。
ひとり旅なので、ベッド一つの部屋で十分。このホテルにはスーペリアダブルルームがあるが、全室南向き。
という事でツイン以上の部屋になるが、最も一般的なスーペリアツインルームは階によりカテゴリーが分かれている。無印が3~5階、ミドルフロアが6~9階、ハイフロアが10~11階となる。広さや設備はほぼ同じよう。「コーナー」を冠する部屋は、東か西のどちらかだけでなく、北にも窓が面しているようだが、デラックスルーム扱いでより高価。
迷った挙句、低層階も何なので、ミドルフロアのスーペリアツインが落としどころかなと思った。
スーペリアツインルーム
旅の初日、降雪による身延線計画運休に振り回され、夕方6時頃、ホテルに到着。早速部屋へ。アサインされた部屋は716号室。7階のやや東よりの部屋だったと記憶。

部屋とのファーストコンタクト。洗面台がバスの外の部屋の一角にあるのは、最近のホテルでちょくちょく見る造り。

そして客室メインの部分。豪奢ではないけど、木材の自然な色を活かした落ち着いた内装で広さは十分。ゆったり過ごせそう。
ツインベッドがくっ付けて配置されたハリウッドツインのスタイル。ひとり旅なので、ツインルームは使わないベッド一台が無駄に思えて、以前はあまり好きではなかったけど、最近は荷物を広げておけるので悪くないかなと思うように。

コーナーには無料のミネラルウォーター、コーヒー、紅茶、電気ケトル、空の冷蔵庫と言った設備が。

窓辺には低いテーブルと2脚のソファーが。
ほぼ不満が無い部屋だけど、収納が出入口横にしか無いのは不便だった。連泊だったので、身近な所に引き出しでもあれば良かった。一々出入口横のタンスまで取りに行かなければいけないのは面倒だった。あとWi-fiがちょっと遅かったかも。
トレインビュー三昧のホテル滞在
雨夜の旅情の1日目
ブラインドを上げると…

リクエストした訳ではないが、期待通り、窓の外には三島駅の見下ろす眺めが広がっていた。東海道本線、伊豆箱根鉄道の列車、そしてホームで列車を待つ人々…、いや、期待以上!富士山は夜だから見えないけど。

旅では味気無いコンビニ飯も、ゆったりした部屋で列車を眺めながだと何倍も美味しく、優雅で楽しいディナータイム。さっきまでは鬱陶しく思っていた雨は、駅や列車をきらきら輝かせていた。これも旅の景色。

一計を案じソファーやテーブルのレイアウトを進化??させ、カウチソファーのように窓際ぎりぎに並べると、極上のトレインビュールームの完成。デザートとコーヒーをいただきながら列車を眺めた。これでルームサービスがあればなぁ…
東海道本線も伊豆箱根鉄道駿豆線も列車本数は多い。なので身構えていなくても、ソファーでだらり過ごし、音が聞こえ目をやると、ああ列車だと寛ぎながらのトレインビューを愉しめる。
さて、もうひとつ、東海道新幹線の眺めはと言うと、東海道本線と新幹線ホームの間に、貨物列車の留置線、新幹線の車庫や保線基地があるため、見えない事は無いけど、意外と遠い。三島駅は、敷地面積だけで言うと、大都会のターミナルとそう変わらないかもしれない。
二日目の夜
二日目、伊豆箱根鉄道大雄山線や御殿場線の駅巡りをし、夜、ホテルに帰着。

やっぱりトレインビュー。東海道本線は貨物にとっても一大幹線で、多くの貨物列車が行き交っていた。

夜10時、家路につく人々で賑わう東海道本線ホーム。

10時16分発、遠く東京上野ラインからの沼津行き普通列車。JR東日本のE233(E231?)系電車。窓際のソファーに座り、列車の音に振り向いては、明日の予定を考えた。
12時前にはベッドの中へ。夜中に目を覚ますと、眠気の向こうに貨物列車が走り去る音が過っていった。
朝食ビュッフェと午前0時の眺めを愉しんだ3日目
そして三日目の朝…

6時過ぎ、空は明けきらずまだ暗かった。富士山は厚い雲に完全に隠されていた。
3日目の朝はホテルの朝食ビュッフェへ。会場は13階のレストラン。

オープンの6時半過ぎだったため、窓際の絶好のテーブルを選べた。13階からだと、自分の部屋からはあまりよく見えなかった東海道新幹線とそのプラットホームまでも眺められた。もちろん東海道本線も見られた。伊豆箱根鉄道は少し見づらいかな…?列車を眺めながら、鯵の干物、だし茶漬け、三島コロッケなど、地のものを中心にとした朝食を美味しくいただいた。

富士山の裾野に抱かれたような三島の街を駆け抜ける東海道新幹線。高層の13階になると、東海道新幹線もよく見えた。

朝食後、部屋に戻っても列車を眺めた。駿豆線の修善寺行きが出発。この3500系軌道線復刻塗装は後で乗る事に。

東海道新幹線は7階の部屋からだと、東側はホームに出入りするのが見える。西側はビルに遮られ今ひとつ。

東海道本線1番ホームには、特急車両の373系の回送列車が入線。これで通勤通学できるのは羨ましい。
このまま沼津方面に回送されるのかと思ったら熱海方面に向かった。先ほど、7時52分の熱海行きが373系だったが、どうやら終着後、三島駅まで回送・留置され、再び熱海に回送され、8時47分の沼津行きとなる面倒な運用のよう。

3日目は伊豆箱根鉄道駿豆線の駅舎や、折りたたみ自転車で韮山反射炉などを巡る予定。今まで見下ろしていた伊豆箱根鉄道のホームに立った。私の部屋はあのあたりかな…?
夕食を取ってホテルに戻り、シャワーを浴びた落ち着いた後、ソファーに座った。

前の2日ではおそらく動きが無かった新幹線の保線基地に動きが。いくつもの保線車両が明かりを灯しスタンバイ中。今夜は保線をするようだ。

11時30分頃、通過していく下りのサンライズエクスプレスを撮影。

伊豆箱根鉄道のホームを見ると、もう終電が出たようで真っ暗。昼間に乗った3500系軌道線復刻色は夜間停泊で、明かりを落とし眠るように停車していた。

そして東海道本線下り、そして三島駅の最終列車、0時32分の沼津行きの出発を見守った。
東海道新幹線の最終もとうに終わり、保線基地で列を成していた保線車両は気がついたらいなくなっていた。今頃、お仕事中だろう。
名残惜しい4日目の朝

4日目の朝、昨日おとついよりはマシだが、富士山の全貌は最後まで見えず。でもトレインビューを十分過ぎるほどに愉しんだ。ホテルに泊まる時、いつも何となくスイッチを入れるTVを、滞在中、遂に一度もつけていなかった事に気づいた。1日目の夜は、あと二夜もここに泊まるんだと思ったが、楽しい時間は早く過ぎるもの。
何度も見た211系と313系電車は、まさに東海道本線静岡地区の日常。去り際にはよりいっそう印象深く映った。国鉄型の211系は中央本線名古屋口の定期運用から外れるなど、かなり縮小されているけど、ここ静岡地区では今も多くが活躍中。

チェックアウト後、ホテルの前で愛車の折りたたみ自転車・BROMPTONを入れ記念撮影。この後は自転車を展開し、沼津御用邸までひとっ走りだ。
[2024年(令和6年)2月訪問](静岡県三島市)