紀伊有田駅の風景
紀伊有田駅訪問ノート
改修されてはいるけど、一応木造駅舎という事で、大した期待もせずに下車してみた。しかしその期待をいい意味で裏切る古い味わいを残す駅舎だった。
石積みのプラットホーム、僅かに古さを残す駅舎外観も興味深かったが、特に驚いたのが、待合室内の木製の造り付けベンチだった。このようなベンチが改修される場合、古いものは取り払い、新しいものに交換するというパターンが多いように思う。そういう場合、大抵、素材は新しいものになり、味わいはいま一つ…。
しかしこの駅では、古いベンチの構造を残し、その上に新しい木材を載せるというとてもユニークな改修方法が採られている。しかも、新しい方は古いものと比べても違和感の無い造りになっている。ザラザラとし、真新しさを感じさる木材の白々しさが眩しく私の目に映った。
この木製ベンチがこれから何人もの駅利用客に座られ、年月を経て、どれだけいい味を醸し出すようになるのだろう…、それを見にまたいつか、この駅に訪れたいと思う。
[2013年(平成25年) 1月訪問](和歌山県東牟婁郡串本町)
~◆レトロ駅舎カテゴリー: JR・旧国鉄の一つ星駅舎~