飛騨小坂駅(JR東海・高山本線)~御嶽を控えた山荘風木造駅舎~



飛騨小坂駅、駅舎と風景

丸太を使った山荘風の木造駅舎、高山本線・飛騨小坂駅
駅開業の1933年(昭和8年)以来の木造駅舎は、丸太の外壁が印象的な山荘風。
飛騨小坂駅の木造駅舎。御嶽を控え、千木を取り入れた車寄せ。
車寄せには寺社建築で見られる千木・鰹木(V字状に突き出ている棒のようなもの)がある。
岐阜県下呂市、高山本線・飛騨小坂駅、御嶽登山口の碑
( 飛騨小坂駅は霊峰・御嶽の登山口に近く、碑が設置されている。 )
高山本線・飛騨小坂駅の駅前
( 駅前は観光駅らしさを残していたが、ひっそりと静まり返っていた。)
jR東海・高山本線・飛騨小坂駅、待合室と窓口跡
( 広い待合室は、かつて登山客で賑わったのだろうか…)
高山本線・飛騨小坂駅の木造駅舎、ホーム側
( 駅舎ホーム側。丸太と石を埋めた腰壁が紡ぎ出す空間は強い印象を刻み込む。 )

飛騨小坂駅訪問ノート

 飛騨小坂駅は、長野県と岐阜県に跨る霊峰・御嶽山の登山口としてかつては賑わったという。登山客を意識したためだろうか…、丸太を組んだ山荘風の造りが印象的な木造駅舎だ。車寄せの千木も、山荘風の駅舎ながら、霊峰の玄関口らしい威厳を不思議と添える。

 しかし、この駅から御嶽に入る人は減ってゆき、2011年4月1日からは遂に無人駅となってしまった。来訪者を歓迎するアーチ状の看板など行楽色を残した駅前と、山荘風の駅舎に、かつの面影を感じるのみだ。そう思うと、せめてこの駅舎だけは末永く、できたら有効な活用方法は無いものかと思わずにはいられない。

[2013年(平成25年) 7月訪問] (岐阜県下呂市)

レトロ駅舎カテゴリー: 三つ星~JR・旧国鉄の三つ星クラス駅舎~