新野駅(JR四国牟岐線)~改修されながらも素朴さ残す木造駅舎~



新野駅、駅舎と風景

徳島県阿南市、牟岐線の新野駅に入線したローカル列車
牟岐線の駅を巡りつつ室戸岬を目指した。阿波福井駅から一駅折り返し、木造駅舎が残る新野(あらたの)駅へ…
牟岐線・新野駅構内に残る枯れた池のあるミニ庭園跡
ホームからスロープを下ると、正面には池が枯れてしまったミニ庭園跡があった。
牟岐線・新野駅、現在は一線にプラットホーム一面の構内配線
昔は島式の2線だったらしいが、現在では1面1線の構内配線に改修され、いわゆる棒線駅に。
JR四国牟岐線・新野駅舎、ホーム側の木造上屋
昭和12年と標された建物財産標が付く木造上屋の柱には、木目刻まれた古い造りを残す部分も。
JR四国牟岐線・新野駅構内に残る安全塔
スロープ横には駅構内でもよく見る安全塔が残っていた。外観が石張りで「安全」の文字がかたどられていた。
JR四国牟岐線・新野駅、改修され生き残る昭和の木造駅舎
新野駅では改修されながらも素朴な姿を留めた木造駅舎が現役だ。妻側に出入口があるのが特徴的。
JR四国牟岐線・新野駅の木造駅舎、改修された壁面
ただ他のJR四国の木造駅舎のようにやや味気なく改修され、両妻側が新建材。平側は木だが張り替えられたように見える。
JR四国牟岐線・新野駅待合室と無人駅となり塞がれた窓口跡
待合室。四半世紀以上前に無人駅となり窓口は塞がれ、かわりに液晶のディスプレイが取り付けられた。
牟岐線新野駅、駅施設跡に植えられた桜の木々
かつて貨物ホームがあったと思われる場所には桜の木が植えられている。

新野駅訪問ノート

 新野駅の開業は1937年(昭和12年)6月27日。牟岐線が桑野駅から阿波福井駅まで延伸開業したと同時に開業した。

 その時以来と思われる木造駅舎が健在だが、他のJR四国の木造駅舎のように、きれいに…というか味気なく改修されてしまった感…

 ただ、そんな改修駅舎のほとんどが、店舗入居や古い駅舎のリニューアルのため、洒落た明るい雰囲気になった。しかし新野駅の駅舎は、木造駅舎らしい素朴さが保たれた外観になったのは注目に値すると思う。

 もう一つ気になるのはホームの狭さだ。国有鉄道のちょとした駅なら、長いプラットホーム、側線に貨物ホームなど、それなりの規模を有する場合が多い。かつては島式の2面2線だったようだが、それにしても狭く短いように思う。田舎のローカル線で開業時から大きな需要は見込まれず、小規模な駅となったのだろう。

 新野駅の昔の写真を見ると、駅舎の南側、阿波海南方に貨物ホームがあったよう。そのレールは島式ホームの駅舎寄り番線にも面し、両ホームで共有していたよう。

 JR四国の木造駅舎と言えば、近年では多くの無人駅のトイレの閉鎖されたり、古い木造駅舎が小さな簡易駅舎にじわじわと改築されているのが話題だ。この四国の旅でも、同じ牟岐線の阿波中島駅が建て替えられる直前だった。新野駅にも建替えの手が迫って来るのだろうか…

[2021年(令和3年)7月訪問](徳島県阿南市)

レトロ駅舎カテゴリー:
一つ星 JR・旧国鉄の一つ星レトロ駅舎