二つの池
常磐線、末続駅の駅舎に面したプラットホームは幅が広くスペースは余裕がある。その中に、木々や花が植えられた一角もあり、「ありそうな」雰囲気を感じ、ホームを歩いていると、道路と駅を隔てる柵の前に小さな枯池が埋もれているのを発見した。
冬のせいで植木が枯れているというのもあるのだろうが、無人駅ゆえ手入れされていないのだろう。木々で賑やかな庭園風の一角は、荒れて雑然としている。
そして、待合室を通り抜け駅の外に出てみた。
駅舎を正面から見渡すと、植栽が豊かな一角に枯れ池があるのに気付いた。
こちら側の枯池も、木々が豊かに植えられている。今は荒れ気味だが、かつては木々が美しく緑豊かで、趣きある木造駅舎を引き立たせるような庭園だったのだろう。
池には、黄色い何かの岩石が添えられ、荒々しくそびえる崖のように高く突き出ているのが印象的だ。もっと近付いてみれば、「海辺にそそり立つ絶壁」のように見えるかなと思い、レンズを構えて接近してみた。が、全くそんな風には見えなかった…。
[2006年(平成18年) 1月訪問](福島県いわき市)
末続駅訪問ノート(駅舎etc…)
高台のホームに降り立つと、街並みの向こうに広がる海が印象深く映る駅だ。
1944年(昭和19年)に信号場として開設され、地元住民の陳情により1947年(昭和22年)に旅客開業した。その旅客開業以来の木造駅舎が無人駅となった今でも現役だ。
縦板張りが特徴的で窓枠は木製のままで趣き感じられる。しかし、車寄せの造りや正面側に軒が無いなど、戦前に建てられた木造駅舎とは造りや雰囲気を異にしているのが、駅舎建築の変遷を見ているようで興味深い。
~◆レトロ駅舎カテゴリー: JR・旧国鉄の二つ星駅舎~