道内主要駅に残る池庭
深川駅で下車し駅前を見ていると、駅舎の横に柵で囲まれた緑豊かな一角があるのを発見した。前回この駅に来た時は冬で雪が積もっていて、存在に気付かなかった。中には木々が植えられごつごつとした岩が配されているのが見え、ちょっとした庭園の風情だ。特に特に高く成長したもみの木が目立つ。
もしやと思って中を見てみると、やはり池があった。それにしても5月の連休後というのに、池の中には雪の塊がどっしりと残っているのが目を引いた。この年は、寒い日が続き、私の訪問数日前にも雪が降り注いだ地域があった。春はもう少し先のようだ…。
さて池の規模は大きめで、縦に3m位の長さがある。枯れていると思ったが、一応、水が入っていた。しかし、濁ってやや汚い感じがし、魚は泳いでいないようだった。
池の上には、一枚岩が橋のように載せられている。渡ってみたい気がするが、溶けきってない雪が雪渓のように、池や一枚岩のあたりにべっとりと被さる様に残っている。足が雪に突っ込み、池に落ちてしまうとかなり恥ずかしいと思い渡らずにおいた。
池の横には木で組まれた植物棚があった。その背後には、深川ロータリークラブが設置した碑があった。この池庭はロータリークラブが寄贈するなど、何らかの形で関わっていたのが察せられる。そして、「1960.5.28」と池庭の竣工日と思しき日付けもそえられていた。
池庭の中は回遊できるようになっていた。池の背後がこんもりと盛られ、岩が階段のように並べられている。せっかくだから奥の方に歩き、庭園内のいちばん高い場所に立ち、池庭と深川駅を見渡してみた。
[2013年(平成25年) 5月訪問](北海道深川市)
深川駅訪問ノート(駅舎etc…)
函館本線、留萌本線、そして廃止されて久しい深名線と、幾度となくお世話になった駅だ。
駅舎は、高度経済成長期の国鉄でよく見られる長方形のコンクリート造り。1960年(昭和35年)の6月30日の竣工。小さな駅だと平屋になるところだが、二階建てなのが、市の中心駅で、特急、急行と言った優等列車も停車する主要駅の趣き。
この竣工日は、池のあの碑の日付より約1ヶ月早い。駅舎改築の記念として、やはり深川ロータリークラブがあの池庭を寄贈したのだろう。