ホテルニューオータニ鳥取宿泊記~山陰本線を愉しめるトレインビューホテル~



高級ホテルで贅沢なトレインビュー

 因美線や山陰本線などの駅を巡る輪行鉄旅、2日目の宿は鳥取駅前のホテルニューオータニ鳥取に。

 最初はリーズナブルなビジネスホテルにしようと思っていたのだが、県都鳥取だからまああるだろうとのんびり構えていた。しかしいざ数日前に予約しようとなると、めぼしいホテルは満室。残ったのは微妙な所か、満室前で値を上げてきたのか、ここでこの値段かと見合わない所。

 そこで意外と安い値段で出ていたのがホテルニューオータニ鳥取。と言っても宿泊料は最低料金でも1万ちょっと…。だけど「値を上げて見合わないホテル」との価格差はそれ程でもなく、少しお金を追加して、加えて朝食ビュッフェも付けた方が、満足感が得られると思った。

 それに何と言っても、帝国、オークラと共に「御三家」と並び称され、日本を代表する高級ホテルのニューオータニ。フラッグシップたる東京には及ばないまでも、一定以上のクオリティは期待できる。


 真夏の暑い中、輪行と駅巡りで充実しつつも疲れ切った体で鳥取駅に着いた。ホテルニューオータニは北口から目の鼻の先の好立地。チェックイン前にコンビニでちょとした飲食物を買っていこうと思ったのだが、意外にもホテル近くの区画には無い。早めの到着なら、隣接する丸由百貨店の地下もいいかもしれないが。結局、駅の中に折り返しセブンイレブンで買い物した。

鳥取駅前のホテルニューオータニ鳥取、ツインルーム

 選んだ部屋はツインルーム。使わないベッドが無駄に思え、ひとり旅では基本的に選ばないのだが、予約時点でいちばん安いプランがツインルームだった。

 部屋は近年リニューアルされ、古さを感じず綺麗だった。部屋は茶色など落ち着いた配色のをベースにしたトーン。広さも十分。バスはユニットバスだけど広め。設備はさすが快適。

ホテルニューオータニ鳥取、客室デスクまわり

 デスク周り。電気ケトル、冷蔵庫など…。コンプリメンタリードリンクはドリップコーヒー。ホテルに必ずある日本茶は無し。まは私にはコーヒーの方が嬉しいから構わないのだけど。

ホテルニューオータニ鳥取、客室から列車が見られるトレインビュー

 窓の外は山陰本線が行き交う列車が眺められるトレインビュー!!予約サイトの客室画像で、山陰本線の高架が写り込んでいるものがあり、トレインビューを期待してあえてツインルームを予約。めんどくさいので「列車が見られる部屋」と事前のリクエストはしなかったのだが、期待通り。建物の形状と配置から、半分位の部屋は眺めが良く無さそうな百貨店側と思われるので、とてもラッキーだった。

 窓際には椅子とテーブルも配置されている。高級ホテルだけあって、良質な部屋でゆったりとした気分で列車を眺めらそう。本当はルームサービスを取って、夕食と共に優雅にトレインビューを愉しみたかったのだが、コロナによる営業体制の変更で休止だったのが残念。なんで?人と接触する機会を減らし部屋で食事をするのも感染対策になり、いいと思うのだけど…。人員不足、人員削減だろうか?

山陰本線を眺める

 部屋からは山陰本線を行き交う列車を存分に愉しめる。窓は米子方面の西向き。なので因美線の列車は見られない。近すぎず遠すぎず、しかも高層階の10階だったので、遮るものがほとんど無い良好なトレインビュー環境。列車の編成を側面から見渡すのにいい感じ。瑞風なんかここから見てみたいなぁ…

ホテルニューオータニ鳥取の部屋から見た山陰本線トレインビュー

 18時44分発特急スーパーまつかぜ11号米子行き。

 上下合わせて列車本数はそこそこある。加えて夜遅くなると、車庫にもなっている鳥取鉄道部西鳥取車両支部に回送されていく車両も多く見られた。

ホテルニューオータニ鳥取から見た山陰本線普通列車

 鳥取駅に発着する最終列車、鳥取止まりの山陰本線上り23時24分着の普通。キハ126系の単行運転だった。


 さて、部屋の設備そのものは快適だったのだが、隣室の気配を感じたのには少々戸惑った。何を話しているかまではさすがに解らないものの、話し声とか気配とか…。TVや音楽を流していたり、延々と話している場合は気になったかも。ホテルクラスの割に防音が甘いが、外観を見るに、年季は入っていそうな建物だ。元々の造りもあり、対策にも限界があるのかもしれない…

朝、気動車行き交う眺めを愉しむ…

 ゆっくり寝て疲れを癒し、一夜明け…

ホテルニューオータニ鳥取・朝食ビュッフェ

 ホテル2階レストランで朝食ビュッフェをいただいた。とうふちくわ、とろろ、そして白ばら牛乳といった鳥取名物も。朝カレーはホテル朝食ビュッフェの定番となりつつある感。


 駅巡りはどうしても早い出発になりがちだが、この日は少しのんびり。朝食後はトレインビューを愉しんだ。起きてカーテンを開け外を見た時、名探偵コナンラッピングのキハ126系が米子方面に走って行くのを見ていた。戻ってこないかな…

山陰本線鳥取駅付近、5両編成の国鉄型気動車キハ47

 8時4分発下り米子行きは、朝の通勤通学時間帯で、国鉄型気動車のキハ40系も5両という堂々たる編成。たらこ色の気動車が連なる編成は、まさに国鉄時代を思い起こさせる光景。

鳥取駅付近を走る特急スーパーまつかぜ

 特急スーパーいなば、スーパーおき、スーパーまつかぜで、基本2両でかっとばしているキハ187系気動車だが、8時3分着米子からのスーパーまつかぜ2号は4両編成。

鳥取駅付近を走行する特急スーパーはくと

 倉吉からのスーパーはくと4号。JR化後あたりに多く誕生した「スーパー」を冠する特急は、「スーパー」が無くなり元のシンプルな名前に戻る傾向があるが、山陰にはまだ4本も残っている。

JR西日本山陰本線・鳥取駅付近を走る国鉄型キハ40系(キハ47形)気動車

 色々な車両を見てきたが、この部屋から、そして旅でいちばん多く見たのがキハ40系気動車のキハ47形。この辺はまだまだ国鉄型気動車がたくさん頑張っているものだ。

[2022年(令和4年)8月訪問](鳥取県鳥取市)

(※トレインビューの部屋を希望される際は「列車が見える部屋」など事前のリクエストをお勧めします。但し、客室の位置やタイプ、宿泊プランなど諸条件により、この宿泊記のようなトレインビュー環境になるとは限りません。)