三江線・川平駅、ずっと見たいと思っていた春の風景~駅・桜旅2011~




 桜を求め石見の国を旅し、数年前の春に訪れた駅に再び降り立った。JR西日本・三江線の川平駅。島根県江津市にある無人駅で、昭和5年の開業からの木造駅舎が残っている。

三江線の春、桜満開の川平駅
三江線・川平駅の春、ソメイヨシノは満開に。ここ数日で開花が急に進んだと言う…
春、桜咲く川平駅に到着した三江線色のキハ120形気動車
桜咲くホームに三江線色のキハ120形がやってきた。
三江線・川平駅、山本家枝垂桜の枝を植樹した桜の老木
駅舎前の枝垂桜。付近の樹齢400年の山本家の枝垂桜の枝を植樹したものと地元の人が教えてくれた。
三江線・川平駅、昭和5年の駅開業時に植えられた桜
駅開業の昭和5年に植えられたと桜の大樹。81年回目の春も見事に咲き誇っていた。

そして、ゆっくり…ゆっくりと夜の帳が下りていった…

三江線、夜の帳が下りる川平駅、満開の桜と提灯
夜のはざまで提灯に照らし出される桜、そして古き木造駅舎…
三江線川平駅、夜桜と木造駅舎を独占
美しき夜桜風景をほんのひと時だけ、自分だけのものにできる歓び。
三江線・夜深まる川平駅、満開の桜と木造駅舎
夜が深まるほどに表情を変えていく駅
三江線、桜満開の川平駅、提灯が吊るされ夜祭のよう…
いくつもの提灯が灯り、まるで夜祭のような雰囲気。

 数年前の春、川平駅を三江線代行バスで通り、車内から見たこの夜桜風景に一瞬で心奪われた。駅に巡らされた提灯がぼうっと灯り、満開となった桜の大樹と木造駅舎を夜の闇の中に浮かび上がらせていた。あまたの提灯が灯る光景は、駅がまるで桜祭りでさざめいているかのよう。しかし、もう乗降客は少なくなってしまったのだろう… 誰もいない中、虚しいほどに華やかな桜と提灯は、侘しさを募らせた。そんな寂しげな光景にもまた心魅かれた。

 その時から、いつかの春の日には必ず、この駅に降り立ちたいと思い続けていた。そして2011年の春、ようやく願いをかなえる事ができた。

 この提灯は、川平駅周辺住民の方々が、毎年この時期に自主的に取り付けているとの事。これでも多い時の半分位の量の提灯とか。やめようかと思った事もあったけど、何とか続けられているとの事だ。

 この幻想的な夜桜風景が見られるのは、住民の方々の愛着があればこそと思うとより嬉しく、深く心に染みる心地だ。

三江線・川平駅、古い木造駅舎に巡らされた提灯
駅舎ホーム側でも、提灯は賑やかに灯る。
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