城西駅

咲き誇る桜はまさに天に向かって伸びているかのようだ。

駅の出入口はまるで桜のトンネルだ。
ちょうど新学期が始まったばかりで、
昼で下校となる学生たちが桜をくぐり駅へとやってくる。
「こんにちは!」
「こんにちは!」
何人もの学生達が、
見知らぬ旅人である私へ挨拶しながら通り過ぎる。
清々しい春。
長篠城駅

城西駅から折り返してくる時、
長篠城駅で下車せずにはいられなかった。
山林の緑色が多くを占める視界の中、
鮮烈なピンク色で視線を釘付けにする。
まさに、春のプリマとばかりに華やかに咲き誇る

今ではホームからはみ出、
枝を伸ばす程に成長している。
きっと、このホームは使われなくなってから、
十数年以上は経っているのだろう…。
しかし、忘れ去られ廃れたプラットホームの桜は
春になると決して忘れる事無く咲き誇り
この集落の人々に春の訪れを伝えてくれる。
三河東郷駅

レールに沿って何本もの桜の木が植えられている。
幹はあまり太くなくいが、細い枝が威勢よく伸びている。
「長篠の戦い」は、織田信長が鉄砲隊を組み、
武田の騎馬軍団を破った事で有名だが、
この戦場となったのが、
この三河東郷駅の北に広がる「設楽が原」だ
戦いが起こったのは
桜が散り葉桜となった5月の事だったそうな…
大海駅

車内放送では、列車交換のため数分の停車と案内されていた。
ホーム端の築堤に咲く桜にレンズを向け待っていると、
特急伊那路が桜の横をゆっくりと通過していった。

白い花が多くを占める中、濃いピンク色の花が
くっきりと咲いていたのが鮮烈に映った。

駅舎の反対側には、貨物用か保線用だったと思われるスペースが残っている。
そこにも、大きな桜の木が満開の花をさかせていた。
だけど、もう使われていないがらんとした場所に佇む姿は
「ポツンと…」という言葉が似合うような
どこか寂しげな雰囲気を漂わせていた

飯田線桜めぐり、その2は下記のページへどうぞ!
飯田線南部、桜駅めぐり(2)~桜で彩られる日常の風景~