駅と駅舎の旅写真館 railwaystation.jp

岳南鉄道・岳南原田駅~驚愕の仕掛けを持つ池のあるミニ庭園跡~

※岳南鉄道は、2013年4月1日に鉄道事業が分社化され岳南電車・岳南線となりました。


初回訪問

岳南鉄道、岳南原田駅の枯池と貨物列車

 岳南鉄道の駅巡りの旅で、岳南原田駅で下車した。すると、プラットホームホーム先端、構内通路の横に枯池があるのを発見した。石で縁取られた池の周りは、岩や木が配され、昔はこの駅で降りた人を出迎える緑の空間だったのだろう。岳南鉄道はローカル色の強い私鉄だが、沿線に工場が多く、貨物輸送はたいそう賑わっている様子だ。

岳南鉄道・岳南原田駅枯池と金魚の看板

 雑草がぼうぼうで枯れた池の傍らには、池で泳ぐ金魚のイラストが入った「原田駅へようこそ」と書かれた小さな看板が設置されいた。打ち捨てられた池に何故この看板なのだろうか。枯れた池を前にこのイラストは虚しさを感じてしまうだけだ...。きっと枯れた池を見るに忍びないと思った人が、この池に水かあればと思い、責めてイラストで、この池に水が湛えられている様子を再現したのだろう。

岳南鉄道・岳南原田駅の枯池、枯れた薔薇の木

 池周囲の廃れ振りを見るに、普段は水は無いが、台風接近で雨が強く降っていたため、池には水が溜まっていたと思われる。

 池の側には薔薇と思われる木が植えられていた。いくつも枯池を見てきたが薔薇が間近に植えられているものは初めてだ。薔薇が気高く咲いた頃、池はさぞ華やかに彩られるのだろう。

 しかし、池が枯れてしまったように、薔薇もピークが過ぎたのだろうか...枯れ気味で生気はいまひとつに見える。黒い枝が低く伸びる様は、妖怪が岸から這い出、池に潜もうとしているかのような不気味さを漂わせていた。


[2007年9月訪問]

そして再訪...、驚愕の仕掛けの跡!!?

 約半年前に訪れた岳南鉄道を再訪した。それは前回、台風でじっくりと観察できなかった枯池を見てみたいと思っていたからだった。

 岳南原田駅の枯池を改めて見てみた。緑が生い茂っていた前回夏と違い、冬枯れの趣だ。

 前回は雨風が強く、傘を折られ、服がびしょびしょに塗らされながら、やっとの思いで撮影した。金魚が描かれた小さな看板や池に向かって伸びる木などが印象的だった。今回じっくり眺めてみると、池の背後がこんもりと盛られた丘ような造りになっているのに気づいた。丘には水仙が咲き、色々な木々が植えられている。側面から見ると、池より丘の面積の方が数倍広く、池を含めホーム端、構内踏切横のこの空間を庭園として整備したものなのだ。

岳南鉄道・岳南原田駅枯池、注水口

 枯池を見ていると、石や岩が積まれた丘の上と池底が、二つに割られた竹筒で繋げられているのに気付いた。そして頂上の竹筒の背後には、パイプのようなものが露出している...。おぉ、これは...もしかしたら...、ではなく、頂上から水を流し、竹筒を伝わせ池に水を落としていたようだ。何とユニークで凝った注水していたのだろうと驚かされた。そして、その驚きが覚めやらぬ中、更に驚かされるようなものに気づいてしまった…。

 池を改めて側面から見ると、真ん中は中の島になっていた。そして、池は中の島を挟み、前と後では微妙な高低差が付けられ、後から前の方に向かって緩やかな坂のようになっていたのだった。おお!これは何と!筒の水路から流れ出てきた水は、川が流れるように流れていたのだ。言うなればウォータースライダー型とも言える驚愕の仕掛けを持つ池庭だ。駅内にたかがミニ庭園を造るだけなのに、何と懲るだけ凝った池なのだろう…。唖然とした気持ちと感嘆の念に支配されずにはいられなかった。

 池はもちろん、庭園全体を見ると相当に力が入っているなと感じさせる。しかし、一体、誰がこんな物を考えたのだろう。レールに挟まれたホーム端のこれと言って使い道が無いスペースとは言え、わざわざ庭園を整え、その中に水道管まで敷いて池を造ったのだから、岳南鉄道側の理解...と言うか主導が無ければ作庭は無理だろう。

 この記事を作成中、写真の数々を見ていると、中の島裏側の川の入口と言える部分に石が置かれ、「川」が堰き止められた形になっている事に気づいた。たまたま小さく写りこんだその部分しか見てないが、何らかの理由で、例えばウォータースライダーが上手く機能しなかった、水道代が掛かりすぎたとか…。そして改良を施し水を流すのをやめたのだろうか?

 いずれにせよインパクトは大きく、また訪れてみたい...、いや、一度でいいからこの枯池に水か流れる様を見てみたいものだ。


[2008年1月訪問](静岡県富士市)

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