藤崎駅 (JR東日本・五能線)～広い構内跡、リンゴの木、そして木造駅舎…～

目次: りんごの木が青森らしさ漂う駅; 追記: 藤崎駅本屋改築

りんごの木が青森らしさ漂う駅

　昨日から1泊2日で東能代から五能線の旅を楽しみ、終点の川部駅まで遂にあと1駅ととなった。ここで先を急がず、最後の1駅、藤崎駅で下車した。ローカル線の小駅というイメージを抱いていたが、広い構内に驚かされた。駅舎と島式ホームは長い構内通路で結ばれ、その間に中線と側線が横たわる。

　しかし現在使われているのは島式ホームの駅舎から遠い1線のみで、駅舎とホームの間にはバラスト敷きの空地が虚しく広がり、僅かに中線の錆びたレールが残るのみだ。かつては貨物…、特に青森特産品であるリンゴの出荷でとても賑わった様子が思い浮かぶ。

　駅舎ホーム側は新建材で補修されていた。藤崎駅は現在では無人駅となっている。しかし、旧駅事務室の入口に取り付けられている看板を見るに、JR東日本の関連会社が入居しているようだ。しかし、訪問時は誰も居ないようだった。

　駅舎の隣には貨物ホーム跡が残っていた。

　駅舎の脇にリンゴの木が1本植えられていた。駅には色々な木や草花が植えられているが、これはなんとも青森の駅らしさを感じさせる。有人駅時代はこのリンゴの木を駅員さんが見守り、赤く色づく11月頃には、乗客と共に収穫を楽しみにしていた事だろう。

　藤崎駅のある青森県藤崎町は「ふじ」というリンゴの発祥の地で、その名は藤崎町の「ふじ」が由来だ。私はリンゴの品種の見分け方は全く解らないが、そういう経緯を考えると、このりんごの木は恐らくふじなのだろう。

　リンゴは一部がほんのり赤みを帯びはじめてきた程度で、まだ青々しかった。11月にはきっと真っ赤に美味しそうに実っている事だろう。いつかこのリンゴを食べてみたいものだ。リンゴの名産地の駅で実ったリンゴを木からもぎ取り食べる…、地の恵みならぬ「駅の恵み」。駅好きな私にはなんとも贅沢で駅旅の醍醐味とさえ思えてくる。