運転停車中に見た池庭に誘われ…
JR四国・土讃線の塩入駅で、列車行き違いのため数分間の停車時間があった。ホームに降りて歩いているとみると、駅舎の横のいくつもの植木の中に、小さな池ががあるのを発見した。強く魅かれ僅か数分の見学時間では惜しく、もっとじっくり見たいという気持ちが湧き上がってきた。1本遅らせても帰りの列車には間に合うのは理解していたので、列車の中に荷物を取りに戻り、車掌さんに切符を見せ「降ります」と告げ改めて車外に出た。
その池庭は1番ホームの駅舎横にあった。植栽が見事で目立つので、少し離れた2番ホームからでも強く目を引かれた。
周りは多くの木々が植えられ緑豊かで、手が込んでいる。よくこれだけのものを駅に造ったものだと感心。昔はきっとさぞ駅が映えるような空間だったのだろう。今でもそうだ。しかし、池の中に水はあるものの、3分の1程度しか入っていなく、それも腐り気味で汚ない。きっと雨水が溜まっただけといった感じだ。打ち捨てられたも同然なのが惜しい。
とは言え、植栽が緑豊かなだけでなく、不思議ときれいに整えられ荒れていない。たまに手入れされているのだろう。
待合室から見ても、池庭はきれいだ。きっと昔も今も、駅のちょっとした潤いの空間なのだろう。
[2008年(平成20年) 4月訪問](香川県仲多度郡まんのう町)
塩入駅訪問ノート
駅は1923年(大正12年)5月21日開業。建築時期は不明だが、古い木造駅舎が現役で残っている。無人駅。
JR四国の古い木造駅舎は、JR化後に現代風にリニューアルされた駅がほとんど。この塩入駅も外壁は新建材が使われ、明るい色使いで、まるで新築のよう。一般的にはくすんだような古い駅舎より、明るい雰囲気の方が受けがいいのだろうが、レトロ駅舎好きの個人の趣味的な観点からは残念…
~◆レトロ駅舎カテゴリー: JR・旧国鉄の一つ星駅舎~