イタリア、駅の中の教会



地下鉄の駅の中に教会!!?

 2008年の初め、久しぶりにイタリアなどヨーロッパを鉄道で巡り、いくつもの駅を利用しました。設備や空気感など日本の駅との違いが楽しく、大いに刺激的でもありました。

 中でも一番驚いたのが、駅の中に教会、礼拝堂がある事でした。日本の駅にも、小さな祠が有るなど、駅構内に神社っぽい一角や物があるのは何度か見た事はあるのですが、寺社そのものがある駅はお目にかかった事はありません。

ローマ・メトロB線、ピラミデ駅、ホーム端に教会がある

 ローマ・メトロB線、ピラミデ駅。お堀にレールを通したような掘割の半地下の駅なのですが、ホームの隅に緑が豊かに飾られた一角がありました。気になり行ってみると…

ローマメトロ・ピラミデ駅ホーム教会前のキリスト像

 緑の中心にはキリスト像が置かれていました。木々で囲まれ花も咲き、大切にされている事が伺えます。

ローマ・メトロ、ピラミデ駅内の礼拝堂の入口

 キリスト像の更に奥には青い扉がありました。ピクトグラムなど周囲の表記などを見るに、この扉の向こうは教会だという事を知りました。看板からSAN FILIPPO NERIという名前の教会だとわかりました。おお!駅の中に教会があるとは大いに驚かされました。「CHAPPELLA」と標されたいたので、教会というより綴りか推察すると、英語で言う「CHAPEL=礼拝堂」と言った方がより正確なのかもしれません。

ローマ・メトロ、ピラミデ駅の中の協会、扉の十字架

 扉には十字架が教会の入口である事を示しています。

 鉄道ファン的な視点から気になったのが、その下のレールと枕木を模したような貼紙。いかにも駅の中の礼拝施設と言った感じに溢れます。イタリア語で何か書かれていて、帰ってからネットで訳したら「今年のメモリに ジュビリー」と出てきました。ジュビリーは英語で50周年。レールに縦書きで「2000」と書かれているのを考えると、2000年が何かの50周年という事なのでしょう。もしかしたら、教会設立50年なのかもしれません。

 この時は誰もいなかったようで、扉は閉まっていて内部の様子を窺い知る事はできませんでした。しかし、その横をメトロが頻繁に走り行く光景は、まさにカルチャーショックで、日本では考えられない光景です。

その他の駅にも…

フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅の中の礼拝堂

 こちらはFS(通称イタリア鉄道、イタリア国鉄)・フィレンツェのターミナル駅、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅内の教会。こちらも閉まっていました。

ローマ・テルミニ駅、地下の礼拝堂

 こちらはFS・ローマ・テルミニ駅の地下にあった教会。見ていると、入れ替わり立ち替わり、人が出たり入ったりしていました。そして扉が開いた時に、中をちらりと見ると、人々が跪いて祈りを捧げている様子が目に入りました。

 ローマ・テルミニ駅の礼拝堂での光景を見るにつけ、人々が気軽に祈りを捧げる事が出来る雰囲気があり、イタリア人の中にキリスト教、…と言うより、信仰心が根ざしている事を実感しました。


 それはそうと、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅と、ローマ・テルミニ駅は改札口はなく、出入り自由なのですが、ピラミデ駅はメトロの駅で、自動改札機があり、切符を持っている人しか中に入れません。教会にのみ用事がある人は、やっぱりわざわざ入場券を買って、教会に行くのでしょうかね…?

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