駅と駅舎の旅写真館-railwaystation.jp-

夜、津軽今別駅へ再び…

~JR北海道とJR東日本の境界付近の駅を巡る旅(3)~


津軽二股駅隣接の道の駅でいのししカレーを食べる

津軽今別駅近くにある青函トンネルの救援施設
(津軽今別駅近く、津軽海峡線築堤横の青函トンネル救護施設。)

 中小国駅から津軽線の列車に乗り、三度、青函トンネルの救護施設を眺め終点の三厩駅を訪れた後、再び津軽二股駅に戻ってきた。 ここから津軽今別駅に停車する快速海峡11号に乗り換え青函トンネルを越え、函館に抜ける事にしていた。

 こんな閑散とした所で、3時間も時間を潰さなければいけないと思うと気が遠くなりそうだが、通過する海峡線の列車を見たり、なんと言っても駅隣接の道の駅があるので、なんとかなりそうだ。ここから車で約10分の所に「青函トンネル入口公園」があり、青函トンネルに進入、または出てくる列車を見られるが、まだ積雪があり雪で埋もれてそうなので今回はパスした。

 道の駅「いまべつ」こと半島ぷらざアスクルは、道の駅にしてはコンパクトなほうだが、今別町や津軽半島を紹介するコーナーや、特産品などを販売している売店などがあり興味深い。特に、縦長の円柱状の水槽が目を引く。海に近く、釣りのポイントが近いのか、意外にも釣り用品が充実していた。

 建物の一角には、レストランもある。だけど、冬は観光オフシーズンという事もあり、午後も夕方も観光客風の客の姿はなく、店主と顔見知りの地元の人が時々出入りしていた程度だった。営業時間を聞くと、ラストオーダーが17時半、閉店が18時との事だ。

 少し早めの夕食だが、5時過ぎにレストランの席に座った。メニューをめくってみると、うどん、ラーメンなど変わり映えしないものばかりで、少々期待外れと思っていた。

 しかし、そんなメニューの中に「海草ラーメン」と「いのししカレー」だけが赤字で書かれていて、目に付いた。特にいのししカレーに興味が湧き店員さん聞いてみると、猪は今別町の名産で、すぐ近くの牧場で育成されているとの事。早速、いのししカレーを注文した。出てきたいのししカレーは見た所、普通のカレーと変わらなく、一口大に切られた猪肉が幾つか入っていた。確かに猪肉は他の肉とは違う味がしたが、意外と癖が無く、美味しく食べる事が出来た。

夜の津軽今別駅でひとり列車を待つ

 閉店時間が過ぎ、いつまでも道の駅にいるのも退屈なので、残りの時間は海峡線側の津軽今別駅プラットホーム居るしかないと思い、階段を上がった。既に日が沈み、灯り少なく真っ暗に近いホームに独り人佇むと、心細ささえ感じる。暖冬とは言え、青森は風が強く寒いので、ホームを一巡りし、下り側の待合室に避難するように入った。

 列車発車までまだ1時間近くもあった。退屈と寂しさを紛らわすのに、携帯電話からネット上の日記帳に書き込みをしようと思いついた。だが、アンテナマークの棒の数が少ない上、電波も不安定だ。粘ったが、結局、書き込めずじまいだった。

JR北海道・海峡線、闇夜の津軽今別駅
(津軽今別駅は夜の闇に包まれひっそりと・・・。)

 列車がやってくる時間が近付き、ふと外を見てみると、上りホームの待合室の中に、いつの間にか中年の女性がいた。19時8分発、青森行きの快速海峡を待っているのだろう。

 快速海峡が2002年12月から特急化されると、今でさえ利用者が少なく、速達化を目指す上で、津軽今別駅が今後どうなるかが気になる。快速なら気軽に乗車できたが、特急となると特急料金が必要になり、特例など対応が無ければ、地元の人が特急の利用を避ける可能性もある。地元の請願による駅であり、将来の新幹線駅の設置を考えれば廃止は無いだろうが、少ない利用者が更に減ってしまうかもしれない…。

 海峡11号が定刻の18時54分に津軽今別駅に滑り込み、静寂は破られた。下車した人は居なく、暗いホームから乗車したのは私1人だった。

津軽今別駅ホームにある待合室
(津軽今別駅待合室。)

[2002年(平成14年) 3月訪問] (青森県今別町)

追記: 北海道新幹線開業に向けた津軽今別駅、津軽二股駅の動向

 北海道新幹線の工事が順調に進めば、2016年(平成28年)3月、新青森駅‐新函館北斗駅間が開業する。 

 開業に当たり、津軽今別駅に設置される新幹線駅の駅名は、当初、仮となっていた奥津軽駅ではなく「奥津軽いまべつ駅」になる事が、2014年(平成26年)6月に決定した。同じ場所での開業となるが、駅名の変更ではなく、津軽今別駅が廃止となり、新たに奥津軽いまべつ駅が開業するという扱いになるとの事。

 一方、津軽二股駅については、何の発表も無かった。新幹線開業を機に、奥津軽いまべつという駅名に合わせ、名実共に乗換駅となるのか…?それとも、これまで通り、同じ場所にありながらそ知らぬ顔を決め込むように駅名を変えずに行くのか…?こちらも大いに気になる所だ。


 北海道新幹線開業を約8ヵ月後に控えた2015年(平成27年)8月10日より関連工事に伴い、津軽今別駅は全列車通過扱いとなった。その後の再開される事は無く、2015年8月9日が実質的な営業最終日となった。


 2016年(平成28年) 3月26日、北海道新幹線が新函館北斗駅まで開通した。計画通り、この日をもって津軽今別駅は正式に廃止となり、代わりに新幹線駅として、奥津軽いまべつ駅が開業した。

 津軽線の津軽二股駅の駅名は、結局、変更される事はなかった。しかし、青春18きっぷの北海道新幹線オプション券に「新幹線奥津軽いまべつ駅との乗換駅は津軽線津軽二股駅」と明記されるなど、やっと連絡駅として公式に認められた感がある。

~JR北海道とJR東日本の境界付近の駅を訪ねる旅~その他のページはこちらへ~

北海道新幹線の駅となる駅

渡島大野駅(JR北海道・函館本線)
駅名は「新函館北斗駅」に。函館市の西隣、北斗市にあるが、函館市の玄関口としての役割。

東北地方のローカル駅

女鹿駅(JR東日本・羽越本線)
秋田との県境付近にある山形県の駅。1日数本の列車しか止まらない秘境駅。

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