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駅景 - No.11~20

日本全国の駅を巡る旅。降り立った駅で体感した風景、空気感、心引き寄せられたモノ…


No.11

上厚内駅前の廃商店

駅前を散策していると、
木の板で窓や扉を固く閉ざされた商店の廃屋があった。
棄てられ随分と経っていそうだが、この駅前の他の廃墟のように、
時の流れの中で、超然と佇んでいるかのような空気を醸し出している。
列車待ちのつれづれに、駅ノートに目を通していると、
「以前はここで切符の販売をしていた」という記述を見つけた。
あの廃屋の事だった。

(JR北海道・根室本線、上厚内駅)


No.12

月崎駅の子犬

駅で昼食にパンを食べていると、どこからともなく
子犬がやってきた。首輪が無いのと、毛並みの乱れ様から
たぶん野良犬なんだろうなと思った。
面白半分に近寄ってみたが、素早く後ずさりされ、距離は縮まらない。
どうしても関心を引きたく、パンをちぎって
子犬と私の真中に投げてみた。
子犬はサッとパンに飛びつき、美味しそうにパクパクと食べていた。

(小湊鉄道・月崎駅)
※サイト内関連ページ:古く美しき駅舎、月崎駅訪問記


No.13

あおなみ線、ささしまライブ駅

初めてこの駅を通過した時、
名古屋駅から一駅にも関わらず何も無く、
まるで秘境駅のような様相を呈していた。
だが、それから10ヶ月後、この駅に降り立つと
眼前には幾色の光を放ちながら回る
大観覧車がそびえ、そして、人々の楽しげな声が
さざめくきらびやかなアミューズメントタウンが
出現していた。
愛知万博のサテライト会場として出現したこの街も、
万博の閉幕に合わせこの世から消える。
まるで、うたかたの街…。

(あおなみ線・ささしまライブ駅)


No.14

重岡駅(JR九州・日豊本線)と寝台特急「彗星」

コオロギの鳴き声を打ち消すかのように、
電車とは違う重厚な列車の音が夜の無人駅に響き渡った。
数日後には廃止となる寝台特急「彗星」だ。
数分間、青い車体をホームに横たえた後、
再び京都への旅路に就いた。
去りゆく姿に、惜別の思いを込めシャッターを切った。
フィルムに遺された姿…、それはまさに彗星の如くだった。

(JR九州・日豊本線、重岡駅) 


No.15

JR北海道・標津線、根室標津駅。

かつて列車で降り立った事のある廃線の駅に立ち寄ってみた。
プラットホームに回ると、構内は雪ですっかり埋もれ、
もう乗客を迎え入れる事も無い古い改札口が、
冬の束の間の日差しを暖かそうに浴びていた。

(JR北海道・標津線、根室標津駅跡)


No.16

長野電鉄・夜間瀬駅

列車が停車した時、
待合室の外の壁に据付けられた電灯の笠に
雪が覆い被さるように積もっていた。
電灯と雪が造り出した冬の造形に目を奪われ、
そして、細い棒一本で雪にじっと耐え、
夜になると駅を照らしてくれるこの電灯を
頼もしくも思った。

(長野電鉄・夜間瀬駅)


No.17

JR北海道・宗谷本線、幌延駅

夜の闇から解き放たれ
空が赤く染まり始めた頃、
凍てつく駅に、今日最初の普通列車の
エンジンが聞こえてきた。

(JR北海道・宗谷本線、幌延駅)


No.18

JR東海・武豊線、東浦駅のひこうき雲

駅のはるか上空に描かれたひこうき雲を見上げ
この飛行機の目的地はどこなのだろうと
想いを巡らせた。

(JR東海・武豊線、東浦駅)


No.19

ちほく高原鉄道・川上駅

武骨で古びていて…
どこか懐かしさ感じる木の扉を開け、
待合室の中に入った。
こうしてこの駅が旅人を温かく迎え入れるのも
あと僅かとなってしまった…。

(ちほく高原鉄道・川上駅)


No.20

小坂精錬・小坂駅待合室

かつては人々で賑わった待合室に、
列車から剥ぎ取られた吊革が放置されていた。
それは、レールは生き、駅舎は残っているものの、
もう旅客列車は廃止されていることを物語っていた…。

(小坂精錬・小坂駅)